言い訳の東京旅行二日目(5)。堀部安兵衛の道場跡も公園に。隅田区の各種の橋。錦糸町へ
両国公園の南を「馬車通り」なる通りが通っています。
この馬車通りを東に少し歩くと、すぐ南北に走る国道463号線にぶつかります。
この463号線の向こう側は、「墨田区緑」になっています。
463号線を境にして両国の町と緑の町とが分かれているのですね。
私はこの463号線を一度南下して、南の立川経由で錦糸町方面に向かいます。
小松川を渡る橋が両国・緑と立川とを繋いでおります。
橋と交差するように頭上に首都高速7号小松川線の高架が走ります。
小松川線ってぴったり小松川の上に沿うように通っているんですね。
ところで、かつて小松川にかかっていた「二之橋」のたもとのこの場所に、俳人の小林一茶(こばやしいっさ)が一時期住んでいたそうです。
そこは借家だったのですが、あるとき旅に出た後、戻ってきたらその借家が他の人に貸し出されてしまっていて路頭に迷ったそうです。
ポール・オースターの短編にそんな話がありましたな。
非常につらい状況ですね。
一茶は弟子と後援者の家を転々とした後に、故郷の信濃国(現在の長野県)に帰って晩年を迎えました。
私は小学生のときに、その長野県の小林一茶の旧宅に家族旅行で行ったことがあります。
土壁の住居の内部は昼でも真っ暗で、子供心に「昔の生活は明かりが少なかったんだな」と実感したのでした。
立川側に参りましょう。
橋の上から小松川線を見上げます。
前に日本橋に行ったときにもこういう場所がありましたね。
首都高の高架はよく川の上を通っていることがあるんですね。
私、こういう風景、とても好きです。
橋を渡って立川の街に来ました。
さようなら、両国。
日差しが強いです。
橋を渡ってすぐのこの通りを、これから東にずっと進みます。
町内掲示板に「第1回錦糸町ラーメンスタンプラリー」のポスターが貼ってあります。
まだ両国に近い立川ですが、すでに東の錦糸町の影響力が及んでおります。
「太陽のトマト麺」って錦糸町に本店があったのですね。
「中華そばムタヒロ」は大阪の堺東駅前のお店で食事したことがあります。
錦糸町は実はラーメン激戦区?なんですかね。
ただ今日のお昼は錦糸町でとる予定ではあるのですが、今回はラーメン以外のお店を予定しているのです。
錦糸町のラーメンはまた今度ですね。
わりと歩いたところで、そろそろ中継の目的地が見えてきました。
旗が裏返っちゃってますが、墨田区立立川第二児童遊園、別名「安兵衛公園」です。
かつて赤穂浪士の一人で剣豪、堀部安兵衛武庸(ほりべやすべえたけつね)が道場を経営していた場所です。
道場跡ですね。
堀部安兵衛は両国の吉良上野介義央(きらこうずけのすけよしなか)邸から近いこの場所に道場を開いて、討ち入りの機会を計っていたのです。
吉良邸討ち入りが決行された際には、堀部道場は浪士たちの出撃拠点のひとつになりました。
今は史跡としての案内版はありますが、それ以外は児童向け遊具とベンチとトイレがあるだけの、普通の小さな公園です。
地元の子供たちが遊んでいる、平和な風景です。
かつてはここで堀部安兵衛が敵討ちの動機を胸に弟子に剣術を教えていたのだと思うと、感慨深いものがあります。
遊んでいる地元の子供たちにも、そうした史実は伝わっていくのでしょうか。
安兵衛公園でひと息ついた後、今度は錦糸町方面へ。
歩きましょう。
と思ったら、立川から東の江東橋、毛利方面に渡る南辻橋が封鎖されていました。
封鎖というか、橋そのものが無くなっていました。
迂回路があって「架替整備のため南辻橋撤去」する旨の案内版がありました。
歩行者と自動車が通りやすい橋にするために新しく架け替えるんだそうです。
私は仮設迂回路を行きましょう。
大横川の上の迂回路を渡りながら、首都高7号線の錦糸町料金所を見ています。
左手にふいに東京スカイツリーの先がのぞいて、私は興奮しました。
東京スカイツリーは、錦糸町を経由した後に向かう本日の目的地になっております。
威容は後でゆっくり堪能するつもりです。
立川から大横川を渡って江東橋5丁目を通過し、毛利1丁目交差点に来ました。
この先、毛利2丁目の交差点で北に曲がれば錦糸町に行けるはずです。
牡丹橋通りを北に行きます。
牡丹橋って雅な名前ですね。
川は埋め立てられて、かつての橋の名だけが残っています。
もともと明治時代に橋の南側にあった観光名所の牡丹園が、牡丹橋の名の由来だということです。
その牡丹園も関東大震災で焼失して、再興されることはなかったんですって。
首都高速7号の高架下は川が埋め立てられた跡地で運動場になっていて、広々としています。
本格的に人が住んでいる生活の形跡もありました。
牡丹橋を抜けて江東橋公園東まで来ると、「夜の街に昼間に来た」感のする街並です。
錦糸町界隈に着いたようですね。
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