2019年夏東京八王子旅行三日目(2)。東福院坂を上り、迎賓館赤坂離宮へ。武蔵野うどんじんこで、武蔵野うどんの食べ納め。帰ります
東福院坂(天王坂)を登って、北の新宿通りに戻りたいと思います。
途中、坂の右手に愛染院というお寺があって、境内に塙保己一(はなわ ほきいち)の墓所があったのでお参りしてきました。
塙保己一は江戸時代中期の国学者で、『群書類集』という大部の叢書を刊行したことで著名です。
『群書類集』は日本古代からの宗教、文化、芸術等に関わる古文献等を収集、編纂したものです。
塙保己一は幼くして視力を失いながら、優れた記憶力を活かして国学の道に入り、この大事業を起こすに至りました。
彼の死後、引き継いだ弟子たちによって『群書類集』は完成したということです。
私は『群書類集』を目にしたことはないですが、塙保己一を尊敬しています。
愛染院には他に、内藤新宿に初めて宿場を開設した高松喜六の墓所もあります。
また私は気づかなかったのですが、愛染院の東南には西念寺という寺院があって、ここは服部半蔵正成(はっとり はんぞう まさなり)の開基だそうです。
二代目服部半蔵として知られる人物ですね。
本能寺の変の際、堺の街から領地の三河に脱出する徳川家康の「伊賀越え」を助けて名声を上げた、あの服部半蔵です。
彼は本能寺の変より以前に、主君徳川家康の嫡男、松平信康(まつだいらのぶやす)の自害の場で、その介錯を任されています。
松平信康の母は今川氏の縁者、築山殿でした。
徳川家康は同盟者である織田信長から、築山殿と信康とが武田家に密通していることを疑われ、妻と嫡男を自害に追い込むほかなかったのでした。
そしてその自害の介錯に関わった服部半蔵は、松平信康の供養のために、西念寺を開基したのだそうです。
主君の跡継ぎを手にかけるわけですから、半蔵が抱えるものがどれだけ大きかったかは察するに余りあります。
それで西念寺の境内には松平信康の供養塔と、服部半蔵の墓所とがあります。
私も旅の間に存在に気付いていれば是非なく西念寺にお参りしていたのですが、あいにく気付かずに愛染院だけお参りして素通りしてしまいました。
名所史跡等が密集する東京都内の旅では、こういうニアミスがわりと頻発します。
JR四谷駅の駅前、「四谷見附」の交差点まで来ました。
この南に迎賓館赤坂離宮があるんですよね。
近くまで行ってみましょう。
敷地を囲う鉄柵が白くて装飾もお洒落なんですね。
敷地の外から眺めるだけのつもりだったのですが、門から観光客が次々と敷地内に入っていくので、興味を引かれました。
見学できるらしいんですね。
迎賓館の建物内を参観するには1500円とか2000円とか料金がかかるのです。
でも建物外の庭園を見学するだけなら事前申し込み不要で料金も300円だけでいいとのことでした。
それで私は庭園だけ見せてもらうことにしました。
門の中に入って、持ち物チェックを受けた上で庭園内に通されます。
案内にあたる警備員の方々の対応も丁寧でした。
迎賓館が、これがまた大きな建築なのでした。
建物の南側です。
こちらは裏側、「主庭」がある側です。
植え込みの園芸もお花が整えられています。
この主庭の背後は森になっていて見通しが利きませんが、その森の向こうには皇室の方々がお住まいの御用地、その敷地が広がっています。
噴水を眺めていて心が和みました。
内部もさぞや立派なのでしょう。
こちらが迎賓館の北側で、正面口になりますね。
迎賓館の上には守護神なのか、甲冑の武者?らしい装飾が見えます。
鳳凰?なのか。
わかりませんが、迎賓館を霊的に守護する鳥でしょう。
参観の予定は当初なかったのですが、この雰囲気、来てよかったと思いました。
あとは大阪に帰る前に、目をつけておいたお店で昼食をとります。
今日は朝から、ここに来るのが楽しみでした。
四ツ谷駅の西、「四谷一丁目」交差点の近くにあるお店、武蔵野うどんじんこ四谷店です。
お店の名前通り、武蔵野うどんが食べられるお店です。
都内で武蔵野うどんを提供しているお店はわりと少なくて、ここは貴重なスポットと言えます。
じんこは四谷店の他に、三軒茶屋にも店舗があるそうです。
入店すると、内装は民芸風居酒屋の雰囲気でした。
昼はランチ営業しながら、夜は武蔵野うどんと天ぷら等を肴に飲めるお店なのでしょう。
いいですな。
肉ネギつけ汁うどんを頼みました。
800円です。
夏場なれど、雨降って若干肌寒いところだったので、この湯気の上がる武蔵野うどんが、もう。
肉とおネギとお揚げたっぷりの甘いつけ汁です。
武蔵野うどんはやはりこれ、極太のもちもちうどんですな。
大変美味しゅうございました。
これで大阪まで、腹持ちしそうです。
いつかは、武蔵野うどんの食べ歩きをしに、多摩地区と埼玉県内とを旅したいと思います。
バスタ新宿から、高速バスで大阪に戻りました。
三日間分の八王子旅記事、執筆に長くかかってしまいましたが、どうもお付き合いありがとうございました。
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