外国語学習のスランプ

国語学習を止めた。

だいたい私はこの十何年か、いろんな言語の入門書を買ってみてはちょっとだけ読んで飽きて本棚の端っこにうっちゃったり、を繰り返してきた。

その末に「なんとなく旅先で使えたら便利だぐらいの動機で旅先候補の国々の言語をかじってみたところで、結局使う機会が現実的に無い言語を長期間学習し続けるなんて無理なのだ」ということにようやく気付いた。

外国語で、学習して実際に少しでも旅先の現地で話せたのは韓国語ぐらいだ。

しかし韓国という国への関心が以前より弱まったという私の個人的な動機をのぞいても、コロナ禍で近場の韓国にすら渡航が難しくなって、海外旅行が前提の外国語学習のモチベーションは各言語軒並み急落した。

現地に行けないのなら、その国の言語を話す機会はほとんどない。

ネット、スマホアプリを通して外国人と交流することは可能なものの、各国の人々への関心というのがそもそも将来的にその国に旅行したいという関心から出るので、旅行もできそうにない状況では、その国の人と交流して何を話せばいいのかわからない。

今後の人生で海外旅行の可能性がほぼ絶望的、となると私個人の志向によるものではあるけれど、外国語学習を続ける意味がほとんど失われたのであった。

ただ海外旅行とは別に、海外文学を原書で読みたいという野心もあるにはあって、この動機によっていくつかの外国語についてはまだ関心を残している。

すなわち英語、スペイン語、フランス語、中国語。

この中で英語は形ばかりではあれどすでに洋書を読めているので、ことさら学習するという感じではない。

文章を読んでも意味がほとんどわからないスペイン語、フランス語、中国語の三者には学習の余地がある。

あるのだが、これらの学習で行き詰まり、私は外国語学習を止めたのだった。

文字の読みと発音が容易なスペイン語はともかく、フランス語と中国語は、文章を見ただけでは読みがわからない。

仕方がないのでフランス語は文字の読み方、発音の規則をざっくりとは学んでみたのだけれど、まだよくわかっておらず、読字の習得までかなり時間を要する。

中国語の方は、漢字の読みはともかく、各字ごとに割り振られた四声という音調を覚えることがほとんどできず、これも読字の習得まで時間を要する。

フランス語も中国語もこれから少しばかり文章を読めるようになるだけでも膨大な時間を消費することが約束されているだけに、とても学習の気が進まない。

ではスペイン語はというと、こちらは比較的少ない時間で習得できそうではあるのだが、それにしても初心者ではあるのである程度のレベルに達するには時間を要する。

そして、現在そこまでして読みたいスペイン語の洋書も手元に無いのだった。

そういうわけでスペイン語もフランス語も中国語も学習を中断してしまい、思いついたときに英語の洋書を読む程度に留まっている。

英語とスペイン語とフランス語と中国語で読書でき、話すのもそこそこはできる、という状態になれば、かなり楽しい将来が迎えられそうではあるのだが。

その状態に達するために学習時間と労力を費やす、それだけの見返りが十分である、という確信が持てない。

こういう言い訳を展開して外国語学習を避ける私のような者ではなく、見返りが用意されていなくても使う予定も機会もない外国語を、毎日習慣的自動的に学び続ける学習者だけが多言語話者と成り得るのだろう。

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