『歴代征夷大将軍総覧』榎本秋
皆様は「征夷大将軍」って聞くと、どの人を思い浮かべますか。
奈良時代に最初の征夷大将軍になった大伴弟麻呂から江戸時代末期の徳川慶喜まで。
本書で、歴代征夷大将軍48名について解説しています。
私の中では征夷大将軍と言うと幕府の頂点にある人、というイメージでしたが。
でも、鎌倉幕府以前の大伴弟麻呂、坂上田村麻呂のようにですね。
もともとは「東の反乱軍を鎮圧する将軍」という、臨時の役職だったのですね。
後には源頼朝の政敵であった木曽義仲、南北朝時代の護良親王も征夷大将軍に任命されています。
「朝廷に敵対する賊軍を討伐する」という名目があると、戦いを有利に進められたわけです。
各時代で征夷大将軍として政敵を葬ることに成功した武家が政権を握り、やがては幕府を開くに至ったのですね。
武家政権による日本支配の始まりであります。
鎌倉、室町、江戸幕府での歴代将軍たちの生涯を通して、武家政権の日本支配の流れを読むことができます。
新書なので気軽な読書になるかと思いましたが、内容が豊かで思いのほか読了に時間がかかりました。
何しろ、歴代の征夷大将軍全員について解説しているわけです。
文章は読みやすいので、傍らに置いて時々参照するのにも便利な一冊です。
新品価格 |