『そして、僕はOEDを読んだ』アモン・シェイ

私、以前に「広辞苑を最初から最後まで読んでみよう」と思ったことがあるんですね。

広辞苑って結構面白い言葉がいろいろ載ってますからね。

それで読み始めたんですが、10ページと続きませんでしたね。

ところが世の中には辞書の通読を、もっと激しい難易度で達成してしまった人がいるんです。

そして、僕はOEDを読んだ

『そして、僕はOEDを読んだ』。

アモン・シェイ氏の著作です。

翻訳は田村幸誠氏です。

OEDというのは『オックスフォード英語辞典(Oxford English Dictionary)』のことです。

「僕は辞書の収集家ではなく言葉の収集家」と言いながら、辞書を1000冊ばかり所持しているシェイ氏。

そんな彼が、全20巻にわたるOEDを一年かけて読了した記録です。

OEDには古語に方言など、現在の英語圏では使われなくなった言葉が満ちています。

毎日、一日中、それらの言葉をページの隅から隅まで追い続ける生活。

OEDを読むことだけに費やされる毎日。

苦行です。

言葉の収集家であり、以前に辞書を通読した経験を持つシェイ氏にすら苦行でした。

本書には、OEDから引用される数々の面白い言葉を知る楽しみがあります。

それとは別に、章を進むにつれ変容していくシェイ氏の生態を見守る楽しみもあるのです。

辞書を通読する試みは、苦行でありながら快楽でもある。

本書を読んでそう思いました。

私も広辞苑の通読、もしくは英語辞書の通読、また試してみたい気もします。

まあ、空いた時間に程ほどのペースでですね…。

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そして、僕はOEDを読んだ

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