2019年夏東京八王子旅行一日目(8)。京王八王子駅から聖蹟桜ヶ丘駅へ。まさに聖地
本日の午後は滝山城跡の他には予定を入れていませんでした。
空いた時間を適当に八王子市内散策に費やしてもいいのですが、明日以降にも八王子市内を散策するまとまった時間があるのです。
ここは近隣の気になる東京の街にでも足を運んでみようか。
そう思いました。
気になる土地がいくつかあります。
京王線で都心方面に行くことにしました。
京王八王子駅に向かいます。
東放射線アイロードって道なんですね。
JR八王子駅北口から、北東に伸びています。
お昼に食事した「武蔵野うどんたまや」に行くときに通った、北西に伸びる西放射線ユーロードと対応してるわけですな。
沿道に独特なデザインの建物があります。
八王子市保健所でした。
「保健所前」の交差点です。
京王八王子駅の駅ビル、「k-8」が見えました。
京王線に乗るのは生涯初めてなので、気分が高まります。
乗車して20分ほどで、ここまでやってきました。
八王子のお隣の多摩市内にある、聖蹟桜ヶ丘駅です。
ご存知の方はご存知でしょう。
ここは、1995年のジブリ映画『耳をすませば』の舞台になった街の、最寄り駅なんです。
中学生の頃にテレビ放送された同映画を見て、「素敵な世界だな~」と思いましてね。
いつかは舞台の街に行ってみたいと、かねてからそう思っていたのですよ。
今回、ちょうどいい折だったので、来て見たんですね。
下調べも何もしておりませんけれども。
散策してみましょう。
ご当地巡り、聖地巡り。
ちなみに駅名にある「聖蹟」というのは『耳をすませば』とは関わりなく、天皇が行幸の際に立ち寄った場所を言うそうです。
この聖蹟桜ヶ丘駅近くに、明治天皇が立ち寄られたことが由来みたいですよ。
桜ヶ丘は二重の意味で聖地なのですね。
駅から歩いて南の方に映画にもでてきた「いろは坂」があるそうなので、そこまで歩きます。
「さくら通り」をまっすぐ南へ。
目の前のファミリーマート、確か映画のオープニングにも出てきてたんじゃないですかね。
映画の時代からは、もう25年経ってるんですよね…。
軽い傾斜の上に橋がかかってます。
大栗川です。
この川の流れる風景、『耳をすませば』で何度となく描かれています。
遊歩道も整備されていて、いいですね。
ここから、いろは坂のようですね。
桜ヶ丘という高台に登っていく、いろは坂です。
高台の上が広範な住宅地になっていて、そちらに向かうタクシー、路線バス、自家用車がひっきりなしに坂を昇り降りしています。
栃木県日光市にある同名の坂ほどではありませんが、こちらのいろは坂も四つの急な曲がり道を持っていて、車で運転するのも大変だと思います。
「鍵二つ 見知らぬ人に 声一つ」。
住宅地なので、スマホで風景を撮りながらうろうろするのは、ちょっと気兼ねです。
ひとつめの曲がり道の手前に、いろは坂桜公園があります。
敷地の小さな公園ですけれど、大栗川沿いの風景を見おろせるようになっています。
『耳をすませば』では、この公園のある場所に、主人公月島雫(つきしましずく)のお父さんが勤める図書館がある設定でした。
実際には建物はありません。
聖跡桜ヶ丘駅方面を見ました。
もうちょっと高さが欲しいところでした。
曲がり角に入ると、車道沿いの歩道は途切れてしまいます。
連続する曲がり道を貫くように、階段が設置してあります。
歩行者を最短距離で高台まで導く心遣いを感じました。
歩く箇所は歩きます。
午前中に負傷した右膝が痛んできた…。
たぶん、聖蹟桜ヶ丘の駅から高台の桜ヶ丘まで、歩いて通勤通学してる方は少ないんじゃないでしょうか。
と思ってたら階段の途中で、上の住宅地の方から歩いて降りてくる会社員らしき人とすれ違いました。
タフな人もいますね。
あの坂ですね。
上から見下ろすのが正解ですが。
階段登りきってすぐ、この金比羅神社です。
『耳をすませば』ファンの方にはお馴染みでしょう。
主人公の月島雫が告白されるあのシーンの現場ですね。
すわ、三角関係か?と胸ときめく一幕でした。
ロケ地巡りとは別に、金比羅さんの信者である私金比羅系は本殿にもきっちりお参りしました。
神社と桜ヶ丘についての由来に加えて、『耳をすませば』のロケ地であることも説明してくれています。
『耳をすませば』の告白シーンにあやかって、このおみくじマシーンで恋愛運を占え!
そういう勢いのようです。
玉砕した野球少年、気の毒でしたね。
映画を見た当時、玉砕した野球少年のことが他人と思えなかったので、私も恋おみくじを引いちゃいました。
中吉。
それにしても、いいことばっかり書いてあって、嬉しくなってしまいました。
御利益願います。
道の脇に「天守台(関戸城跡)」という案内標が立っています。
読みにくいところに説明文が書かれている様子。
現在金比羅神社があるこの辺りは「天守台」、桜ヶ丘の高台は「城山」だったそうです。
この高台が、関戸城という、鎌倉時代の山城だったんですね。
残念ながら、城跡の遺構は宅地開発によってほぼ失われているようです。
江戸時代の桜ヶ丘の絵があります。
江戸時代後半にはすでに、山の上に集落があったんですね。
「霞ノ関」という、旧鎌倉街道の関所があって、その関所に伴う宿場町でもあったようです。
関戸城も、その関所を守る目的の城だったのですね。
鎌倉時代末期に、この関戸城で鎌倉幕府軍と新田義貞(にったよしさだ)との間で「関戸の戦い」が行われています。
鎌倉に向かう義貞軍に対しさせまいとする幕府軍、しかし義貞軍の勢い強く、幕府軍は敗走。
その数日の後に義貞軍は鎌倉に攻め入り、ついに鎌倉幕府は滅亡するに至ったのでした。
密かに、脳内で本名陽子さんの歌う日本語版「カントリー・ロード」の曲を延々とリピートさせながら、階段を下っていきます。
歴史のある場所が住宅地になって、新しい世代が生まれて、いつの時代にも、誰かにとっての大切な場所になっていくんですね。
自転車で急降下はできず、痛んだ足を引きずり歩く私です。
聖蹟桜ヶ丘駅の駅前に戻りました。
来たときには気付かなかったのですけれども。
地元商店会と映画のファン有志とでつくったという、「青春のポスト」がありました。
ポストに、夢や目標を書いて投函する。
思いがかなったら、再びここに来てその旨を書いて投函する。
若い人たちに向けた、そういう試みでした。
ところで私、映画の天沢聖司(あまざわせいじ)の声優をあの高橋一生さんが演じてたってこと、近年まで知りませんでした。
知った時、ちょっと感動しました。
映画モデル地を説明した案内版もちゃんとあったんですね。
たぶん駅構内にこのマップも用意してあったと思います。
余談ですが、聖蹟桜ヶ丘駅の発着メロディは、「カントリー・ロード」になっています。
新宿方面行きと高尾山口方面行きとではそれぞれ同曲の違うパートを採用していて、私はその両方をスマホに録音するために駅構内で粘りました。
録音したものを、著作権その他の関係でここに掲載できないのが残念であります。
皆様もぜひ聖蹟桜ヶ丘駅で発着メロディを聞いてみてください。
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