2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『コーヒーをすすり、自室で萎縮する夜』

人をからかうようなことばかりだ。 今日子(きょうこ)は自室で萎縮していた。 さっきから、からかわれるようなことばかりである。 夕食後、台所で洗い物をした後、自室に戻ってきた。 自室の扉を開けると、電灯がついたままになっている。 使っていない部屋…

『手間のかかる長旅(040) 客人にいらだつ町子を観察する』

いろんな人がいるものだな、と時子(ときこ)は思った。 隣に座る東優児(ひがしゆうじ)を、横目でちらちらと見ている。 彼の同僚である美々子(みみこ)の交友関係を聞きだそうと、町子(まちこ)と二人で喫茶店に呼び出したのだ。 優児は、落ち着いた仕草…

『雨も降らず、ファミリーレストランへ』

適当なことばかり言う人がいるので、町内はいつも不穏な空気に満ちている。 適当なことばかり言うのは、真理(まり)の母である。 「横山さん、洗濯物取り込んで。ほら、雨降るわよ」 ベランダから、母が甲高い大声でご近所を煽るのが聞こえる。 真理はため…

『うつらうつらと夢見心地な朝』

深夜、眠れない。 手持ち無沙汰なので、少しだけのつもりでスマートフォンでパズルゲームを遊び始めた。 朝である。 あっという間だった。 スマートフォンの電池が切れて、我に返った。 一睡もしていない。 頭が重い。 まぶたも重い。 しかし、今日は月曜日…

『心を読む、おうどんの達人』

おうどんおうどん。 おうどん大好き。 おうどんを食べよう。 などと鼻歌まじりに歌いながら、うどん店のおやじがうどんを茹でている。 よっぽどうどんを茹でるのが好きな人なのだな、と義雄(よしお)は思った。 改札を出てきたばかりの義雄の鼻先に、鰹節の…

『手間のかかる長旅(039) 美々子の同僚と喫茶店で会う二人』

東優児(ひがしゆうじ)は、背の高い男性だった。 ほっそりとした体格をしている。 顔立ちは整っている。 美男子、と言っていい風貌だ。 ただ異様なのは、彼は美々子(みみこ)とよく似た顔なのだった。 というのも、ファンデーションを地肌に厚く塗っていて…

『感傷的な彼女と冬の藤』

こんなところにこんな公園があったのか、というような公園を発見した。 家の近所である。 確かに近所をくまなく歩いたことはない。 人生では、学校へ行ったり職場へ行ったり、定まった道を行き来するだけ。 盲点は多い。 それにしてもこんな近くに大きな公園…

『深夜の開運神社で』

最近、疲れ気味である。 さらにこのところ、身の回りによくないことばかり起こっている。 不吉だ、と思い長太(ちょうた)は神社にお参りすることにした。 週末に行けばいいのだが、どうも気が急くので、今晩中に行ってみようと思った。 地元に、開運のご利…

『他人の冷蔵庫を触る人』

玄関の扉に施錠していなかった自分もいけない。 それにしても、見も知らない他人がいきなり部屋に入ってくるとは思わなかった。 両手に大きくふくれたスーパーの袋を抱えて、荒い息をしながら義雄(よしお)の部屋に入ってきた。 背の高い、若い女性である。…

『手間のかかる長旅(038) 約束を前に仲のいい、時子と町子』

モンブランの栗をフォーク先に突き刺したかと思ったら、素早く口の中に放り込む。 町子(まちこ)は目を閉じて、栗を舌の上で転がしている様子。 美味しそうだ、と時子(ときこ)は思った。 うらやましかった。 だが今日は出費を抑えたいので、時子はホット…

『自室の中でも顔、顔、顔』

部屋に一人でいるのに、ごそごそ音がする。 気持ちが悪い。 何かというとごそごそ、ごそごそ…。 この部屋は前からそうだ、と今日子(きょうこ)は思った。 自分しかいないはずなのに、どこかでごそごそ音がする。 そして、わりと大きな気配を感じるのだ。 部…

『正体不明のチラシ束』

義雄(よしお)はむかむかしている。 アパートの自室で朝起きて、郵便受けに新聞を取りに行くと、中にいっぱいものが詰まっている。 大量の古い広告チラシである。 どれも裏地が白く、その裏側に太字のマジックペンで手書きの文章が書きなぐられている。 そ…

『手間のかかる長旅(037) 人間関係に巧みな町子』

待ち合わせの時間を前にして、時子(ときこ)と町子(まちこ)は例の喫茶店にいる。 美々子(みみこ)の同僚の一人と連絡を取ることに成功し、待ち合わせをしたのだ。 前日前々日と同じく、奥のテーブル席に二人は陣取った。 今日も、きびきびと立ち働く女性…

『相まみえる熊殺しと柔の強者』

心労からか、彼女の顔はげっそりと痩せていた。 「お願いします」 膝に両手をついて腰を曲げ、彼女は何度もこちらに頭を下げる。 いたましい、と彼は思った。 彼、餅田万寿夫(もちだますお)は、しばらく前から「熊殺しの男」と呼ばれている。 彼が通う私立…

『手間のかかる長旅(036) スマートフォンで、急な展開』

時子(ときこ)と町子(まちこ)は歩道の隅に立っている。 町子は、スマートフォンの画面を見ながら、タッチパネルの操作をしている。 慣れきったFINEの操作を通して、美々子(みみこ)の同僚とやり取りをしているらしい。 時子は、電柱に寄りかかって町子を…

『お白湯で妄想する寒い夜』

熱いお白湯をふうふう吹いて飲みながら、私は考えている。 たまには美味しい玉露のお茶を淹れて、舌の上をころころ転がしてから飲みたいな、などと。 しかしだ。 今は最低お白湯は飲むことができるのだから、まだいい。 しかしそれがかなわなくなったらどう…

『戦乱の世、長芋を脅し取る』

米びつには米一粒すらない。 「もう食べるものがないよ」 米びつの中をのぞきながら、おっかさんがそうおっしゃる。 長引く戦乱で、稲の手入れに人手は割けず、かろうじて実った稲穂には火がつけられた。 でもこうして家が残り、母子で無事生きていられるだ…

『手間のかかる長旅(035) 疎遠な人を頼りにする』

美々子(みみこ)の職場、ドラッグストアにいる彼女の同僚を狙う。 美々子の弱みを握るために、時子(ときこ)と町子(まちこ)がたどりついた結論がそれだった。 とは言っても時子は美々子と敵対することには消極的なので、ほとんど町子の主導なのだ。 「私…

『鳩の受難』

ぽりぽりぽりぽり、食べこぼしを散らしながらスナック菓子を食べている。 私のことではない。 小さな子供がバス停のベンチに座って、お菓子を食べている。 散った食べこぼしはその子供の足元に落ちている。 小さいので、地面につかない短い両足を、その子は…

『パギやんの大阪案内ぐるっと一周「環状線」の旅』趙博

大阪人にとってはありがたいことに、「大阪に遊びに行きたい!」と言ってくださる他府県の方々が多いんですよね。 他府県の書店をのぞいても、大阪観光のガイド本等、結構充実してたりして。 ただそんな一般のガイド本に物足りなさを感じられる向きには、こ…

ハニーの遺伝子!サクサクお菓子、허니통통(ハニートントン)

韓国で一世を風靡した、허니버터칩(ハニーバターチップ)ってお菓子が食べたかったんです。 こんにちは、金比羅系です。 皆様、허니버터칩(ハニーバターチップ)ご存知ですか。 そういうお菓子があるんですよ。 一世を風靡したんですよ。 韓国では。 蜂蜜…

『手間のかかる長旅(034) 陰謀の相談をする時子と町子』

「そういう界隈って、彼氏さんのこと?」 歩きながら、時子(ときこ)は町子(まちこ)に尋ねた。 「そうよ」 「美々子さんの彼氏さん界隈を探る?」 「そう」 時子は納得しかねた。 だいたい、美々子(みみこ)に男がいるのかどうかすら定かではない。 「じ…

『小さなことで腹を立てる奴』

真理(まり)はファーストフード店のテーブル席に、一人でいる。 テーブル上に教科書とノートを広げ、自習している。 試験期間中なのである。 午前中に今日の試験を終え、来店して食事した。 それから今まで真理はねばっている。 明日も試験があるのにも関わ…

『鰹節の味のするソーセージ』

鰹節の味がするソーセージを食べている。 初めて食べる銘柄だ。 ふいにソーセージが食べたくなって、近所のスーパーで手近にあった商品をつかんだら、その商品だったのだ。 かじると、豚肉の味とは別に、鰹節の味と香りが口の中に渦巻く。 うまかった。 私は…

韓国の美味しそうなトースト、토스트

韓国には토스트(トストゥ、トースト)って食べ物があるらしいんですね。 私も気になっているんです。 トーストって言うからにはトーストなんだろう…と思えるんですが、日本のトーストとはちょっと違うみたいなんです。 YouTubeで動画を探してみましたよ。 …

一人軍隊!土鍋でことこと一人プデチゲ

お店で食べてみたいけど、一人では注文しにくい韓国料理ってありますよね。 こんにちは、金比羅系です。 今日は私にとってそんな憧れの韓国料理であります、부대찌개(プデチゲ、部隊チゲ)をつくりましたよ。 押忍! ま、スライスチーズ乗せちゃったので見…

『手間のかかる長旅(033) 理性的な町子の策謀』

化粧を直す時間がいる、と美々子(みみこ)が言うので、時子(ときこ)と町子(まちこ)は彼女を勤め先まで送っていくことにした。 警察署を後にして、美々子のドラッグストアの店舗前まで来た。 「時子、何かあったら私に連絡するんだよ」 美々子は時子の目…

今日の即席麺この一杯。맛있는라면(マシヌンラミョン、おいしいラーメン)

こんにちは金比羅系です。 さっそくですが今日も韓国製即席麺をご紹介していきますよ。 今日の一杯はこちら。 よいしょ。 맛있는라면(マシヌンラミョン、おいしいラーメン)であります。 発売元は삼양식품(サムヤンシクプン、三養食品)ですよ。 こちらも…