黒門市場で手羽先唐揚げ、道頓堀で天丼、大正区でにんにくラーメン。大阪市の旅

週末、いいお天気でした。

となると、出かけずにはいられません。

そういうわけで、出かけて参りました。

 

南海電鉄とJR環状線が交差する、新今宮駅

大阪府南部からやってきて大阪市内を散策するには、交通の便利がいい場所です。

私の日帰り旅がいつもここからスタートするのは、そういう理由があるのですね。

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通天閣を横目に見ながら、堺筋日本橋方面に向けて、北へ歩きます。

今回の日帰り旅、天気がいいからって、特に目的もなく出てきてしまったのですね。

歩きながら目的地を考えよう、ぐらいの緩い歩き旅であります。

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日本橋に来ました。

東の秋葉原と同じく、電器店街として聞こえる街なんですね。

電化製品、パソコン関連機器、そしてテレビゲーム・アニメ関連の諸々がそろう、夢の街であります。

まあ、私はパソコンもアニメも詳しくないので、テレビゲーム関連のものを見て歩くぐらいですね。

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大通りから小さな通りに入りますと、昔ながらの工具店等が軒を連ねる界隈もあります。

隣接するパソコン、アニメ、テレビゲームを扱う界隈とは若干違った空気が流れていますね。

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そんな界隈にある大阪名物、五階ビル。

三階建てなのに五階とはこれいかに?と私も今まで思っていたのですが。

ウィキペディア等の記述によりますと、「五階」というのはこの地域一帯の通称であって、この建物を指すものではないようです。

「五階」エリアに建っている建物だから五階ビル、ということなんですね。

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五階ビルの近くには、主に呉服を扱うお店が集まる「日本橋商店会」があります。

 

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各店舗が密集しています。

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消防車が入れない通路の狭い場所だからか、消火器の備えも万全ですね。

…落書きされまくってますが。

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その日本橋商店会の一角に、全国の即席麺を扱うお店があったんですね。

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インスタントラーメン専門店、「やかん亭さくら」さんです。

大阪のローカル番組等でも時折紹介されていました。

しかし、お店、移転したのですね。

従来よりも南で今は営業されているみたいです。

日本各地のご当地即席麺が買えて、その場で調理してもらって食事もできるお店なんですね。

 

日本橋の電器店界隈をしばらく歩いていきます。

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路上で客引きをするメイドさんたちの数は減りましたが、それでもコスプレ衣装で呼び込みをする人たちがいて、独特の雰囲気がある通りです。

ラーメン店等、飲食店も結構多いです。

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高島屋の東別館ですな。

ここに来ると、鹿児島市内で見た百貨店、山形屋のある市街地界隈を思い出します。

旅の記憶は、折々にデジャヴ的感覚をともなって蘇って参ります。

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外国からの観光客でにぎわう黒門市場、今回もやって来ました。

ここに来るといろんな外国語が聞けますので、外国語好きの私にとっては結構嬉しい場所なんですね。

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この入口を入ってすぐのところに鶏肉専門の精肉店がありまして、鶏肉の唐揚げも売ってました。

買い食いする海外の観光客を真似するように、お腹の減っていた私も唐揚げを買い食いしてみることにします。

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鶏の手羽先の唐揚げです。

ひとつ税抜き40円、二つ注文してみたら外税込みで86円でした。

ぷりぷりのお肉がさくさくの衣で包まれ、美味しいです。

散策のお供にはちょうどいいおやつですな。

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今日も混み混み黒門市場

英語、中国語、韓国語にタイ語が飛び交う空間でありました。

シーフードを始め、食べ歩き向けの美味しそうな食べ物もいろいろお手頃価格で売られていますので、日本人観光客の方にもお勧めのスポットであります。

 

黒門市場を出た後も、日本橋周辺をしばらくうろうろします。

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関西ではローカルTVCM等を通しておなじみ、味園ビルであります。

各種飲食店等のテナントが入っています。

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テナントにはアイルランドの方が経営されているアイリッシュパブなんかもあって、私も一度だけ中に入ったことがあります。

味園ビルです。

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壁面から出ている触手みたいな装飾が、意味不明でした。

これらのふにゃふにゃにも、何らかの意味があるのでしょう。

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いつの間にか、一階に「ふくろうカフェ」が入っていました。

一時間、ワンドリンク付きで料金1500円からだそうです。

ふくろうと戯れたい方には、いいかもしれませんな。

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味園ビルの脇をすり抜けて、道頓堀にまで来ました。

この界隈も、相変わらずかなりの人であります。

立ち止まってぼやぼやしてはいられません。

しかし、時刻はお昼どき。

私のお腹も空きました。

道頓堀界隈はいつ来ても混んでいるので、私はこの辺りではあまり食事をしないのですが…。

どこか、空いているお店はないでしょうか?

ラーメンが食べたいですね。

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ラーメン食べる気満々だったのですが、こういうお店に目を引かれまして。

天丼の専門店、一味禅なのですがね。

なぜこのお店が気になったかと言いますと…。

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店頭に飾られていた、このポスター!

韓国のテレビ番組のものでした。

取材に来てるらしいですな。

サイン付きですね。

私、この人たちの顔と番組名に見覚えがあったんです。

実は私、以前にYouTubeでこの番組の動画を見ていたんです。

動画に出ているのはこの一味禅というお店の、日本橋の方にある支店ですな。

韓国にも전(ジョン)と言って野菜を揚げる天ぷらのような料理はあるのですが、日本のものとは若干趣きが違うのですね。

韓国の方々にとって、海産物を揚げた日本のさくさく天ぷらは、新鮮な経験になるようです。

ラーメン食べる気満々だった私も、道頓堀で韓国テレビ番組のポスターを目にしまして、見逃せない気持ちになってしまいました。

一味禅の中に、入っていきます。

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韓国だけでなく、大阪の各ローカル番組にも取り上げられていますよ。

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日本語のメニューに加えて、この韓国語のメニューも備わっています。

私はお値段も手頃な새우텐동(セウテンドン、海老天丼)を注文しました。

680円であります。

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天ぷらの油とだしから来る香りが、美味しそうです。

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お味噌汁がついて680円、いいですな。

ご飯に乗っている天ぷらのタネは海老、ちくわ、ししとう、エリンギ、紫蘇、とうもろこしでした。

長い間海老天ぷらを食べておらず、美味しくいただきました。

野菜の天ぷらも、どれも美味しいですね。

お店で天丼を食べることはこれまであまり無かったですが、さくさくして美味しくて、なかなかいいものですな。

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道を通る韓国人観光客らしき人たちがポスターを指差して反応していました。

わりとアピール度はあるのではないでしょうか。

これからも、大阪の天丼の美味しさを韓国他、内外の観光客の方々に伝えていって欲しいですな。

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お昼が済んだところで、歩きながらこれからの行き先を考えます。

しかし行き先は思いつきません。

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また御堂筋を歩いています。

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心斎橋にやってきました。

西から東に、長堀通りが通っています。

ここで思ったのですね。

このまま西に折れて、四ツ橋方面に向かってみようかと。

四ツ橋というのは、昔、川が埋め立てられる前、南北に四つの橋がかかっていた場所です。

今は交差点になっているのです。

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心斎橋から西に進み、四ツ橋の交差点まで来ました。

今は埋め立てられて面影もありませんが、かつてはここに、四本の橋が掛かっていたのですね。

四ツ橋の名の由来です。

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かつての四ツ橋を記念して、車道と車道の間の中洲に記念碑が立っています。

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この中洲の空間に、かつての四ツ橋を模した橋の欄干があるのですが…なぜか、そこにお布団が干されていました。

…いい天気でしたからねえ。

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かつての橋の名残りに、新しい生活の痕跡。

住人の姿こそ見えなかったものの、何かうなずけるものがありました。

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四ツ橋から、このまま西に向かって進んでいきましょう。

西方に、大阪市立中央図書館があるのです。

蔵書量が多く、洋書も豊富にある大きな図書館なので、のぞいて行こうと思いました。

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大阪市を西から東に走る長堀通り、かつてはここに長堀川が流れていたのです。

大きな運河で、大坂の物流を担っていたのですね。

今は埋め立てられていますが、運河の名残りはあります。

道路の中洲に、こうした公園が設けられていまして。

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江戸時代末期に富田屋橋のたもとにあった裕福な質店の子息、間長涯(はざまちょうがい)は麻田剛立から天文学を学び、実家の傍らの橋の上で天体観測を続けたのだそうです。

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天文学ってロマンがありますよね。

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これは富田屋橋のあった場所よりさらに西の、問屋橋の跡です。

これも橋の名残りですね。

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さらに西には、大阪木材市場発祥の地があります。

なんでも、この一帯含む長堀川沿いの広範囲は土佐藩蔵屋敷を持っていた界隈だそうです。

件の木材市場も当初、土佐(現在の高知県)から運ばれてきた木材を流通する場所でした。

それが次第に日本各地の木材を扱うようになって、規模が拡大したそうなんですね。

しばらく先には土佐藩と縁の深い「土佐稲荷神社」がありますので、お参りしてみましょう。

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白髪橋の交差点に、気になるものがあります。

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大阪のタクシー発祥地…らしい。

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大正6年創業の会社なんですって。

昔のタクシーって、お洒落ですね。

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さらに行くと、長堀通り沿いに渋いレトロ建築を見つけました。

「細野ビルヂング」といって、なんでも兵庫県島嶼部発祥の建築会社、細野組が建てたビルだそうです。

明治期に創業して規模を拡大し、各地に販路を広げたのですと。

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趣きがありますな。

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中洲公園を通ったりしながら。

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ようやく土佐稲荷神社にたどり着いたようです。

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広い敷地を誇る、土佐稲荷神社であります。

安土桃山時代大阪城築城のための石垣として運搬されていた石の中に、「畏れ多い」ものがあり、その石をご神体としてここに祀ったのが始まりなのだそうです。

後に土佐藩によって京都の伏見稲荷から稲荷大神が勧請され、主祭神となりました。

もともと、近隣の長堀川一帯の土地は広く土佐藩が所有して、蔵屋敷等を持っていたんですね。

また明治時代になって、土佐出身の実業家で三菱財閥創始者である岩崎弥太郎が神社周辺の土地を買い受け、邸宅を建てたのだそうです。

以来この土佐稲荷神社、三菱財閥との結びつきが強い場所であるようです。

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境内は広々としていまして、解放的です。

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「境内飲酒宴会禁止」。

これだけ開放感があると、桜の季節になって酒を持ち込む人なんかも出てくるんでしょうね。

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社紋というんでしょうか、三菱になってますな。

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境内を出ますが、隣接する集合住宅の敷地内に、大きな楠が生えています。

この木、岩崎弥太郎の邸宅があった頃からこの場所にあるんだそうです。

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ここに新しい集合住宅を建てる際も、歴史的経緯のある木なので、大阪市の保存樹として伐採を免れたのですね。

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境内に、岩崎弥太郎邸宅跡を示す碑もあります。

神社の周辺を囲む玉垣にも、寄贈者として三菱系企業の名がずらりと並んでいます。

この土地と土佐藩、そして三菱財閥との結びつきを感じさせる場所でありました。

 

土佐稲荷神社に隣接する大阪市立中央図書館に立ち寄り、しばらく書架を眺めて過ごしました。

これからさらに南下して、JR大正駅で電車に乗り、帰ろうと思います。

大阪市立中央図書館から地下鉄千日前線西長堀橋駅に隣接していて、すぐ電車に乗れるのですけれど、大正駅まで歩いてみたかったのですね。

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途中、南海電鉄の駅名の由来にもなっている汐見橋を渡ります。

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汐見橋の上から、西の方角に京セラドーム大阪の姿が見られました。

汐見橋を渡った後、さらに歩き、今度は大正橋を渡ります。

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と思ったら、大正橋のたもとにこんな場所が。

石碑があります。

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石碑には『大地震両川口津波記』とあります。

嘉永七年(1854年)に起こった安政南海地震津波による、被害を記すものでした。

地震の被害の後、さらに安治川、木津川の河口から津波が襲い、一帯の土地の人、また地震を避けて船で川の上に非難していた多くの人たちが犠牲になったのだそうです。

かつて大地震津波が自分に身近な場所にも大きな被害をもたらしていたことを知り、気持ちが沈みました。

安政南海地震が起こる100年ほど前の宝永年間にも、同じく大坂に大地震津波とが襲っているのだそうです。

こうして慰霊碑、石碑などが土地に残っていると、かつてそこで起こった出来事を現代の私たちも実感することができるのですね。

碑に向かって手を合わせました。

またいつ大阪に大地震が来るか、わかりません。

私もそれなりに備えをしておこう、と思いました。

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渡った先の西側から見た大正橋です。

ここからJR大正駅まではすぐです。

もうすぐ帰れそうなのですが、その前に。

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大正橋の西側のたもとにこのお店を見つけてしまったのです。

にんにくラーメン天洋です。

これまでお店の名前を聞いたことはあったのですが、入ったことはなかったのです。

私はにんにく系のラーメンが好きなので、天洋も気になるお店だったんですね。

お昼に天丼を食べたばかりでお腹はまだそれほど空いていませんが、この機会に入ってしまおうと思います。

 

基本のラーメンを注文しました。

注文の際、ニンニクを入れるかどうか店員さんに聞かれます。

ここは、入れてもらいましょう。

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ラーメン税込み、730円です。

チャーシューが見た目にもごつい。

ネギ、もやしもたっぷり。

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この大きなチャーシューが素晴らしいのです。

脂がとろける食感がたまりません。

スープはニンニクの風味が溶け込んだ豚骨ラーメン、わりと口当たりがすっきりして自然に飲めてしまう美味しさでした。

つるつるしたコシのある麺も個性が強いです。

美味しくいただきました。

スープ、チャーシュー、野菜、麺とどれも好みで、やみつきになりそうです。

天洋は大正駅からも近い同じくJR環状線九条駅野田駅近くにもそれぞれ支店があるみたいですよ。

各店、行ってみたいですね。

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帰り道、大正駅の至近に沖縄料理店の並ぶ通りを見つけました。

大正区は、沖縄から移住した人たちが多く住む地域です。

今回はにんにくラーメンだけいただいて帰りますが、次は沖縄料理も食べにまた大正に来よう、と思います。

さ迷った大阪市の旅でした。

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