棒の手。愛知県の、武術的な伝統芸能

こんにちは、金比羅系です。

私最近、戦国時代を舞台にした小説を書いているのですよ。

もし物語に餓えておられたら、この機会に読んでくださいね。

いずれも猿姫(さるひめ)って名の女性が主人公なんですね。

この猿姫が棒術を使うんですね。

彼女の棒術のモデルは、「棒の手」って言う、愛知県内に伝わる実際の伝統芸能なんです。

この奇声を挙げながらの打ち合い。

薩摩の剣術、示現流を思い起こさせるものがありますな。

しかし棒の手は武術そのものというよりは、武術的要素を持った演舞なんですね。

棒の手はもともと、「おまんと(馬の塔)」という馬にまつわる神事の場で、奉納された芸能だったそうです。

棒に鎌などを手に持って演舞を行う人の衣装は、馬の警護をする役割の人を表しているようですね。

昔、馬は高価な財産でしたから、輸送中に馬泥棒に襲われることもあったのですね。

警護役が必要でした。

 

武術的要素が濃い棒の手ですが、武家に伝わったものではなく、その担い手は各村落の村人たちでした。

先に述べた馬の警護とは別に、中世には村人たちが戦場に駆り出されることも多かったです。

おそらくは、棒の手は神事の芸能であると同時に、村人たちの軍事訓練の意味合いもあったのでしょうね。

剣術のように、地域ごとにいろいろ流派もありまして。

この動きに慣れておけば戦場での戦闘も容易だっただろうな…と思わせるものがあります。

 

尾張国の低い身分の出身である豊臣秀吉なら、民衆に伝わる棒の手に通じていたかも知れない。

そういう妄想が湧いてきませんか?

私の頭には湧いてます。

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