台湾旅行三日目(4)。雨空の下の二二八和平公園と、満足の台湾?グルメ
風邪薬を飲んだ私、観光を続けます。
雨足は収まるところを知りません。
台湾でも6月は、雨期なんですね。
日本の梅雨どき以上に長くて激しい雨期なのですね。
それをある程度覚悟して来てはいましたが、実際にずっと雨に降られていると、心が滅入ります。
そんな状態でも、足を動かします。
二二八和平公園(Èr' èr bā hé píng gōng yuán)にやって参りました。
もともとは1889年に開設された西洋風公園だったのですが、1947年に起こった二・二八事件を記念して改名されたのだそうです。
入ってみましょう。
池の中に涼亭っていうんでしょうか、中国風の東屋があって、いい雰囲気です。
昔行った、東京の上野公園の不忍池の辺りを連想しました。
竹の一種らしい、変わった植物が園内に見られます。
背の低い、幹の細いヤシ科の植物がいました。
無理にくねったようなその姿勢に、思わず笑ってしまいました。
野鳥が集まる池です。
真ん中に生える樹木の上には、独特な形の実が成っております。
食べられるのかどうかは定かではありません。
眼光鋭い野鳥と、雀たちが集っております。
雀も野鳥ですかね。
二二八和平公園は、野生のリスと触れ合えることでも有名なんですね。
私もリスと触れ合えることを期待して来たのですが、この雨のせいでしょうか、リスを見つけることはかないませんでした。
リスたちが遠巻きに私の姿を認めて隠れてしまったのではないか、という疑念もあります。
園内には、国立台湾博物館もあります。
体調が平常どおりであれば、一も二もなく入ったのですけれど、風邪の症状が治らないので。
今回は入館を見送ることにしました。
体調の悪いときに、展示品を見てまわったり、細かい説明文を読んだりするのって難しいんですよね。
博物館の外の野外展示を見ていきましょう。
石臼、水をためる石槽などです。
この門の由来はよくわかりませんが、儒教に関わる遺跡のようです。
先ほどの門も、おそらくはこの銅像に関連して設置されているのでしょう。
続けて、園内を散策します。
これはラジオ塔ですね。
詳しい説明はありませんでしたが、日本統治時代に設置されたもののようでした。
ラジオ塔とは、内部にラジオを入れて、公園内の人が公共放送を聞けるようにした設備なのです。
私の地元、大阪府の堺市にある大浜公園にも、同様のラジオ塔の跡が残っています。
いずれにしても、ラジオが庶民にとって高価な家具のひとつだった、戦前のものですね。
おそらくは堺市と台湾と、離れた場所で同時期に、日本政府によってラジオ普及のための施策が行われたものと想像します。
この緑豊かな公園には晴れた日に来たかった、という思いでした。
二・二八事件の記念碑がありました。
太平洋戦争の終戦後、台湾に渡ってきた国民党は、台湾人に熾烈な政策を強いています。
そしてヤミたばこ業者に対しての横暴な取締りをきっかけに、鬱憤を溜めていた台湾人たちによる反乱が台湾全土で勃発。
反乱は国民党軍により武力鎮圧され、台湾人側に膨大な数の犠牲者を出しました。
水の上に浮かぶ記念碑です。
間近に歩み寄って、犠牲者の霊を追悼しました。
二・二八事件の弾圧の当事者であった国民党の、蒋介石を記念する中正紀念堂の目と鼻の先に、この二二八和平公園と記念碑があるのです。
二つの場所が隣接して共存する状況を、台湾の人たちはどういった思いで受け入れてきたのだろうか、と思わずにはいられませんでした。
二二八和平公園を後にしました。
お昼時になっています。
公園に来る前に飲んだ風邪薬が効いてきたのか、具合が良くなってきました。
お腹も減り始めています。
最後の観光を前に、美味しいものを食べて、元気もつけておきたいですね。
公園から少し離れた場所なのですが、ぜひとも行きたい飲食店があったのです。
永康牛肉麺(Yǒng kāng niú ròu miàn)という有名店で、牛肉麺という台湾の麺料理がこの店の名物なんですね。
ラーメン始め麺料理が好物である私には、見逃せなかったのです。
地下鉄に乗って、お店の最寄り駅、東門車站に向かいます。
駅から地上に出て、数分歩きました。
お店が見えてきました。
永康牛肉麺です。
しかし、お店の前の人の列。
嫌な予感です。
順番待ちの長い列が出来ていました。
二階席もあるお店なのですけれど、行列がなかなか進んでいません。
日本の人気ラーメン店を見るようですな。
この行列を見て、私の心は揺れました。
美味しい牛肉麺は食べたい。
しかし、長らく並んだ末に混雑した店内で食事するのは、今の体調では厳しいと思ったわけです。
そうやって逡巡している間に、永康牛肉麺の近くに気になる場所を見つけました。
大排檔茶餐廳(Dà pái dàng chá cān tīng)というお店でした。
茶餐廳は香港にある独特の、レストランと喫茶店の中間のような形態の軽食店なんですね。
台湾にも香港式の茶餐廳があるとは聞いていましたが、ここにあったとは知りませんでした。
香港旅行の際、茶餐廳にはお世話になっています。
見たところ、混雑もしていない様子。
牛肉麺は若干心残りではありますけれど、もう大排檔茶餐廳に決めてしまいます。
欧米のカフェを意識した内装の店内で席に座り、メニューを眺めました。
思ったよりも、香港料理の定番が揃っていました。
食欲が湧いてきます。
お店の方に、香港人気取りで英語で注文を頑張りました。
待つことしばし。
鴛鴦茶(Yuān yāng chá)ですね。
80元(日本円で約240円)でした。
コーヒーと紅茶を混ぜた、香港独特の飲み物なんですね。
香港で飲んだ味、台湾でまた出会えて、ひと息つけました。
シロップを入れて、甘くして飲むと元気が出ます。
お料理も来ました。
スパイシーな香りに包まれます。
XO醤炒飯です。
150元(日本円で約450円)でした。
XO醤は、香港料理で用いられる辛いソースなんですね。
香港で食べていないものですが、この機会だから食べてみたかったのです。
この炒飯はエビとイカとキャベツがたっぷり入って、XO醤で味付けしてあり、ピリ辛で出来立て熱々でした。
そして美味でした。
降り続く雨と風邪症状で寒気を感じていた折に、この辛くて美味しい炒飯をいただいて、体の芯から温まるような心地がしました。
これでこの後も、何とか観光が続けられそうです。
負け惜しみでなく、牛肉麺を食べるより結果的に良かったかも、と思いました。
価格:2,186円 |