韓国旅行二日目(3)。公山城から公州総合バスターミナルまで歩く。公州は熊の街
宋山里古墳群と武寧王陵、そして公山城の見学を終えて、私に与えられたこの公州での役目は終わったものと思いました。
公州から今度はさらに南にある扶余(プヨ)という街に移動します。
この扶余も公州と同じくかつての百済の故地、それも百済が滅亡を迎えた最後の都のあった土地なのですね。
いったん公州総合バスターミナルに向かいます。
公山城前のロータリーにあるバス停で、総合バスターミナル方面に行くバスを待っていたのです。
が、ようやく来たバスの運転手さんに聞いたところ「そこには行かない」とのことで、困惑してしまいました。
バスの進行方向は合っているはずなのですが…。
バス停には各方面に向かうバスの時刻表と路線図とが貼ってあるのですが、韓国語がよくわからない身には理解しづらいのです。
このままバス停で待っていても、総合バスターミナルに向かうバスが来るのかどうか、保証はありません。
もう歩いていってしまおう、と歩き始めました。
考えることを放棄しました。
モーテル街の前を通り過ぎ、山城洞市場の前も通り過ぎ。
途中、通り過ぎるバス停の時刻表を覗いてはいるものの、次に来るバスと時間が合いません。
歩いて歩いて繁華街の外れです。
錦江にかかる公州大橋まで来ました。
かつて熊津と言われただけあり、公州には熊のモチーフがついてまわります。
公山城の上から眺めた風景を別の角度から見ています。
まさか公州大橋を歩いて渡ることになるとは思いませんでした。
公州大橋を渡り終えて、公山城側を見返します。
こちら側の川べりは公園として整備されています。
橋のたもとの近くに、大きなマスコットキャラクターたちが私を待ち構えていました。
熊の王様「고마곰(ゴマゴム)」とお姫様の「공주(ゴンジュ)」です。
公州市の公式マスコットキャラクターですね。
ゴムというのが韓国語で熊を指すので、ゴマゴムは響きとしては高麗熊、というところでしょうか。
武寧王を意識して王様のデザインだそうです。
一方のゴンジュは地名の「공주(公州)」の発音と、お姫様を表わす韓国語「공주(公主)」とが同音異義語であることからの洒落なんですね。
二人の姿は、武寧王とその王妃のカップルを連想させるところがあります。
公州の名産品、栗の形をした照明が二人の周囲を取り巻いております。
夜間にはゴマゴムとゴンジュの姿がライトアップされるのでしょう。
川沿いにしばらく歩きました。
川沿いに建つ公州市外バスターミナルの建物です。
この建物の近くに公州総合バスターミナルもあります。
歩きに歩いて、ようやく着きました。
すでにお昼をまわっています。
昼食をとりたいのですが、路線バスの本数が限られていますので、まずは扶余行きのチケットを購入しましょう。
公州発扶余行きのチケットが4300ウォン(約430円)でした。
まもなくバスが出るということでしたので、お昼は扶余に着いてからということにします。
公州総合バスターミナル内にも飲食店がいくつか入っていたので、迷ったのですが。
コンビニで飲み物だけ買って、バスに乗り込みました。
「초가을 우엉차(チョガウルウオンチャ、初秋ゴボウ茶)」だそうです。
韓国ロッテの製品ですね。
ゴボウまでお茶にするんですね、韓国では。
朝鮮王朝時代に仏教が弾圧された関係で、仏教寺院に付き物の緑茶が韓国の食卓には根付きませんでした。
代わりに野菜、果物からつくる様々なお茶が普及しています。
韓国のトウモロコシのお茶なんて私は結構好きなんですが、ゴボウ茶は知りませんでした。
キャップを取ると、ゴボウの特徴的な香りが鼻につきます。
飲んでみたところ、ゴボウの風味以外は特に癖もない、飲みやすいお茶でした。
私が車内でゴボウ茶を飲んでいる間に、バスは公州の街を走っていきます。
私が歩いてきた公州大橋を渡り、山城市場前を通りモーテル街前を通り、公山城前のロータリーのバス停を通り過ぎたときにはもう、座席でひっくり返りそうになりました。
公州総合バスターミナルから扶余行き市外バスに乗るために、公山城前から私が苦労して歩いてきた道のりを、扶余に向かうバスはあっさりと逆流したのでした。
公山城前のバス停で扶余行き市外バスに乗るのは無理だったので仕方ないのですが、どうにもわりきれない思いです。
徒歩を強行して費やした一時間ばかり。
とても惜しいです。
もう心身共に疲れてぐったりしてしまい、扶余に着いてから食べる予定の昼食ばかりが楽しみでした。
さようなら公州。
またいつか来るかも。
ゴボウ茶を飲み飲み、短い居眠りしました。
価格:150円 |