『瞬殺猿姫(44) 猿姫の偶像、文を読む三郎』

白子港の、織田三郎信長(おださぶろうのぶなが)が寝泊りする掘っ立て小屋に、猿姫(さるひめ)からの文が届いたのは、一行が離散して半年余りも後のことであった。

「織田のうつけに、文が来ておった」

蔵の後始末を終えた親方が、手に文を持って小屋の戸口に現れた。

三郎は、相棒の蜂須賀阿波守(はちすかあわのかみ)始め、他の運び手たちと共に夜食を摂っている。

小屋の中、莚を敷いた土間の上で車座になって、干し魚を肴に安い地酒を飲んでいる。

大名の子息の三郎にとって、港での運び手の仕事はつらかったが、近頃は体と頭が慣れてきた。

身一つで務まる仕事にしては、待遇も悪くはない。

白子の港が繁栄しているが故に、蔵と港とをつないで荷を運ぶ仕事は、金になるのだった。

「文」

親方が近づいてくる前に、三郎は高い声をあげて立ち上がっていた。

もともと背が高かったが体つきの細かった三郎、この半年余りの間にたくましく変わっていた。

肩、背中、そして腰から脚にかけての肉付きが力強くなっている。

動きも俊敏なのだ。

その彼がいきなり立ち上がったので、足元にあった酒の盃が勢いでひっくり返りそうになる。

隣に座っていた阿波守が、その盃を慌てて手で止めた。

酒の強くない三郎が飲み残すと、その人の飲み残しにまで後始末をつけるぐらい、阿波守は酒が好きである。

「そうだ。宛名書きを見るに、女の文字だな」

座ったままの仲間の運び手たちが、三郎を取り巻いて囃し声をあげる。

三郎は息を飲んで、親方が手にした文を見た。

体がかすかに震えている。

親方から文をもぎ取って、今すぐにでも読み始めたい。

そんな三郎の顔つきを見て、普段彼に厳しい親方も、焦らす真似はしなかった。

文を目の前に突きつけた。

三郎は、短く深呼吸した。

親方に目礼して、文を受け取った。

文は、粗末な紙質だ。

切り封をした上に、「おださぶろうどの」と宛名書きがある。

その筆致を目にして、三郎の全身に一瞬の震えが走った。

もどかしく、切り封を指先で解き、文を開いた。

両手で広げる。

目の前に、縦書きの文面が広がった。

 

さぶろうどの

いかがおすごしか

さるひめにかわりはない

ろぎんのことあつまった

おへんじくだされたし

さるひめ

 

味も素っ気もない文面であった。

しかし、柔らかい筆致ではある。

三郎の口元がわなないた。

文を握り締めた。

かろうじて、息を吐く。

それから改めて文を広げ、再び文面に目を通した。

文章の頭から末尾まで、何度も読み返した。

飽きることなく目の動きを繰り返して、最後には文の中に己の鼻先を埋めてしまった。

親方と阿波守、その場の運び手たちも呆れて、声をかけることもできず、三郎を見守っている。

やがて、文に顔を隠したまま、三郎は嗚咽を洩らし始めた。

阿波守が、即座に立ち上がった。

「待てうつけ、文が湿る。俺にも読ませよ」

三郎から文を奪い、剥ぎ取った。

閉じた三郎の両目の端から、涙がこぼれている。

湿りかけた文の文面に、阿波守も立ったまま目を通した。

三郎は隣で嗚咽を響かせている。

即座に読み終えて、阿波守は傍らの三郎の醜態に横目をくれた。

「味気ない文だな。だが首尾よくいったようではある。何をまたそうやって泣くのだ、不吉な」

三郎は、ぐすぐすと鼻を鳴らしている。

「不吉ではござらぬ、吉兆でござる」

「だったらなんで泣く」

「美しい書体でござる」

揺れる声でかろうじて答えた。

阿波守は、文面に再び目を向けた。

「どこが」

「猿姫殿のお姿そのままの、たおやかな書体でござる」

そう続けて、泣き顔のまま、阿波守から文をひったくった。

「たおやかな」

阿波守は口のなかで復唱する。

三郎の頭の中で猿姫が今はどういう女に化けて棲み付いているのか、阿波守にはうかがい知ることができない。

その阿波守にも呆れている他の面々にも背を向けて、三郎は小屋の隅に行ってうずくまった。

文を抱いている。

「今夜はこのまま猿姫殿と二人きりにさせてくだされ、今夜だけは」

皆に断っているらしい。

親方は、阿波守の方を見た。

「おい、髭」

「なんでござる」

阿波守は、親方からも髭と呼ばれている。

「相手がいかな女か知らんが、ああもとち狂うた以上は、夫婦にする算段をつけてやった方がいいのじゃないか」

親方なりに、うつけの部下の醜態を見て心配してやっているらしい。

「しかし、武家のしきたりは難しくございますのでな」

阿波守は、苦い顔を返すばかりだ。

三郎がおかしくなっていても、彼は明日からのことを考えなければならない。

三郎を猿姫に再会させれば醜態は直るのか、それともより酷くなるのか。

三郎を中心にして、また以前の通り旅が続けられるのかどうか。

阿波守にも、この先のことが読めなかった。

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台湾旅行三日目(5)。新竹の街を散策。帰国。いい旅でした

お昼を食べながら、今後の行き先を考えていました。

本日の夜から桃園国際空港に向かい、夜を空港で明かして翌朝早く、日本に戻る飛行機に搭乗する予定であります。

夜までまだ時間があります。

まだどこか一箇所ぐらい、観光が出来るのですね。

どこへ行こうか、ガイドブックを繰りました。

台北とは雰囲気の違った街も見ておきたかったのです。

すると、新竹(Xīn zhú)という、台北の南西にある街が紹介されているページが目に留まったのですね。

なんでも、この新竹近郊の街には中国南部から渡ってきた客家(ハッカ、Kè jiā)人の人たちが多く住んでいるのだそうです。

台北とは違った街の姿を想像して、足を伸ばしてみる気になりました。

台北車站近くのバスターミナルから、高速バスで新竹に向かいます。

 

台北から新竹まで、高速バスで約1時間30分の道のりであります。

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新竹到着間際、バスの中から撮った檳榔のお店です。

「兄弟専業檳榔」だそうで、兄弟の一人か、ごつい中年の男性が店内に納まっていました。

若い女性が販売するのが基本の檳榔店に、ごつい例外を見つけました。

窓越しに遠目に眺めながら、バスで通り過ぎます。

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新竹のバスターミナルで高速バスを降り、新竹車站の駅前に出てきました。

なかなか開けた街ですね。

17世紀末に漢民族が入植して城砦を築いたという歴史のある街ながら、昨今は台湾のIT関連企業が集まって、ハイテクの街としても名を馳せる新竹です。

 

ところで、私がこの街に来たのは近郊の客家の街の文化を感じたいばかりでなく、ほかにも目的がありまして。

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この新竹車站の駅舎が目当てでもあったんですね。

日本統治時代の1913年、日本人建築家の松ヶ崎萬長(まつがさきつむなが)によって建築された駅舎なんです。

なんだか、日本の東京駅の駅舎に雰囲気が似ていると思いませんか?

日本の東京駅駅舎が辰野金吾(たつのきんご)によって設計され、完成したのが1914年。

松ヶ崎萬長と辰野金吾、西洋建築を学んだ同時期の日本人建築家たちがそれぞれ一年違いで遠く離れた地に完成させた、新竹車站駅舎と東京駅駅舎です。

例えれば兄弟か姉妹のような存在なのですね。

新竹車站駅舎が一年お兄さん、もしくはお姉さんということになりますか。

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私が見たとき、駅舎の入口からセブンイレブンの配送トラックが直にお尻を突っ込んでいて、豪快でした。

駅舎の中にキヨスクセブンイレブンの店舗があるので、その商品補充に来ていたのでしょうね。

日本ではなかなか見ない光景なので、感心しました。

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駅舎の中は、わりとこじんまり。

待合室なんかもあります。

新竹車站からは周辺の街へと向かう鉄道の支線がいくつか延びているので、運行本数の少ないそれらの支線沿線に向かう人たちが列車を待っているのです。

客家の人たちが多い街にも、新竹からそうした支線の鉄道で向かうのですね。

ところが私がここに来たとき、客家の多い街に向かう列車の次の発車時間まで、随分間があったのです。

本日中にその街に行って観光するには時間が足りないと思われましたので、乗車を断念しました。

残念ですが、新竹の街の散策に時間をかけることにします。

歩いて行きましょう。

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新竹車站から大通り沿いに進むと、ロータリーの中に東門城があります。

お城の下まで行ってみたかったのですが、入場禁止のテープが渡してあって近くまで行けないようになっていました。

先へ進みます。

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雨でも若者たちでにぎわう商店街の中に、台湾伝統の廟があります。

こうした台湾寺院の派手な建築も今日で見納めかと思うと、名残り惜しいものがあります。

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これらの看板を目にして、私も遠くにある故郷を思い出しました。

それにしても、日本の味うたまろ…。

気になりますが、店をのぞいてみる勇気はありません。

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最終の目的地に着きました。

城隍廟(Chéng huáng miào)です。

城隍という、土地の神様を祭った廟なのですね。

城隍は媽祖と並んで台湾人の信仰が篤い神様のようです。

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この新竹の城隍廟は、建物の中にたくさんの飲食店、乾物店等が入っている、面白い建築なのです。

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軽食、小吃のお店が多いです。

私もお店を見て歩きながら通路を歩いて、中の御廟にお参りしてきました。

新竹車站に戻ります。

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新竹車站前のロータリー外側にはかつて汽車が走っていた線路が残されて、ちょっとした公園になっています。

淡水の街でもそうでしたが、駅舎も含め、こうした古い時代の名残りが街に残っているのは、素敵ですね。

きっと、地元の方々の文化財を保存しようという努力の結果なんだと思います。

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新竹車站前には太平洋SOGOもありました。

日本のそごうとは、現在は資本関係には無いみたいですね。

 

新竹からまた1時間30分かけて、台北に戻ってきました。

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いよいよ日本帰国の準備です。

名残惜しいので、台北車站周辺で夕食をいただいて帰ります。

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温州大饂飩(Wēn zhōu dà wēn tún)というお店で頼んだ炸醤麺(Zhà jiàng miàn)、55元(約170円)と台湾啤酒です。

お店の雰囲気も含め、台湾料理というより、中国の地方料理のような感じでした。

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日本で食べたことのある炸醤麺はラーメンのような料理でしたが、このお店のは汁無し麺の料理。

辛口の肉味噌と野菜等の具を麺に絡めていただきます。

おいしゅうございました。

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夕食の後、シャトルバスで桃園国際空港へ。

空港内のベンチで仮眠して一晩を明かし、翌朝日本に無事帰国いたしました。

旅の最中は雨に降られっぱなしで体調を崩しもしましたが、日本から身近な外国、台湾で様々な異文化を感じられた、いい旅でした。

日本では出会えない人、風景、空気、食べ物に出会いに、これからも海外旅行を続けたいものです。

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台湾旅行三日目(4)。雨空の下の二二八和平公園と、満足の台湾?グルメ

風邪薬を飲んだ私、観光を続けます。

雨足は収まるところを知りません。

台湾でも6月は、雨期なんですね。

日本の梅雨どき以上に長くて激しい雨期なのですね。

それをある程度覚悟して来てはいましたが、実際にずっと雨に降られていると、心が滅入ります。

そんな状態でも、足を動かします。

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二二八和平公園(Èr' èr bā hé píng gōng yuán)にやって参りました。

もともとは1889年に開設された西洋風公園だったのですが、1947年に起こった二・二八事件を記念して改名されたのだそうです。

入ってみましょう。

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池の中に涼亭っていうんでしょうか、中国風の東屋があって、いい雰囲気です。

昔行った、東京の上野公園の不忍池の辺りを連想しました。

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竹の一種らしい、変わった植物が園内に見られます。

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背の低い、幹の細いヤシ科の植物がいました。

無理にくねったようなその姿勢に、思わず笑ってしまいました。

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野鳥が集まる池です。

真ん中に生える樹木の上には、独特な形の実が成っております。

食べられるのかどうかは定かではありません。

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眼光鋭い野鳥と、雀たちが集っております。

雀も野鳥ですかね。

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二二八和平公園は、野生のリスと触れ合えることでも有名なんですね。

私もリスと触れ合えることを期待して来たのですが、この雨のせいでしょうか、リスを見つけることはかないませんでした。

リスたちが遠巻きに私の姿を認めて隠れてしまったのではないか、という疑念もあります。

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園内には、国立台湾博物館もあります。

体調が平常どおりであれば、一も二もなく入ったのですけれど、風邪の症状が治らないので。

今回は入館を見送ることにしました。

体調の悪いときに、展示品を見てまわったり、細かい説明文を読んだりするのって難しいんですよね。

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博物館の外の野外展示を見ていきましょう。

石臼、水をためる石槽などです。

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この門の由来はよくわかりませんが、儒教に関わる遺跡のようです。

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儒教孔子銅像が祀られてあります。

先ほどの門も、おそらくはこの銅像に関連して設置されているのでしょう。

続けて、園内を散策します。

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これはラジオ塔ですね。

詳しい説明はありませんでしたが、日本統治時代に設置されたもののようでした。

ラジオ塔とは、内部にラジオを入れて、公園内の人が公共放送を聞けるようにした設備なのです。

私の地元、大阪府堺市にある大浜公園にも、同様のラジオ塔の跡が残っています。

いずれにしても、ラジオが庶民にとって高価な家具のひとつだった、戦前のものですね。

おそらくは堺市と台湾と、離れた場所で同時期に、日本政府によってラジオ普及のための施策が行われたものと想像します。

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この緑豊かな公園には晴れた日に来たかった、という思いでした。

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二・二八事件の記念碑がありました。

太平洋戦争の終戦後、台湾に渡ってきた国民党は、台湾人に熾烈な政策を強いています。

そしてヤミたばこ業者に対しての横暴な取締りをきっかけに、鬱憤を溜めていた台湾人たちによる反乱が台湾全土で勃発。

反乱は国民党軍により武力鎮圧され、台湾人側に膨大な数の犠牲者を出しました。

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水の上に浮かぶ記念碑です。

間近に歩み寄って、犠牲者の霊を追悼しました。

二・二八事件の弾圧の当事者であった国民党の、蒋介石を記念する中正紀念堂の目と鼻の先に、この二二八和平公園と記念碑があるのです。

二つの場所が隣接して共存する状況を、台湾の人たちはどういった思いで受け入れてきたのだろうか、と思わずにはいられませんでした。

 

二二八和平公園を後にしました。

お昼時になっています。

公園に来る前に飲んだ風邪薬が効いてきたのか、具合が良くなってきました。

お腹も減り始めています。

最後の観光を前に、美味しいものを食べて、元気もつけておきたいですね。

公園から少し離れた場所なのですが、ぜひとも行きたい飲食店があったのです。

永康牛肉麺(Yǒng kāng niú ròu miàn)という有名店で、牛肉麺という台湾の麺料理がこの店の名物なんですね。

ラーメン始め麺料理が好物である私には、見逃せなかったのです。

地下鉄に乗って、お店の最寄り駅、東門車站に向かいます。

駅から地上に出て、数分歩きました。

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お店が見えてきました。

永康牛肉麺です。

しかし、お店の前の人の列。

嫌な予感です。

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順番待ちの長い列が出来ていました。

二階席もあるお店なのですけれど、行列がなかなか進んでいません。

日本の人気ラーメン店を見るようですな。

この行列を見て、私の心は揺れました。

美味しい牛肉麺は食べたい。

しかし、長らく並んだ末に混雑した店内で食事するのは、今の体調では厳しいと思ったわけです。

 

そうやって逡巡している間に、永康牛肉麺の近くに気になる場所を見つけました。

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大排檔茶餐廳(Dà pái dàng chá cān tīng)というお店でした。

茶餐廳は香港にある独特の、レストランと喫茶店の中間のような形態の軽食店なんですね。

台湾にも香港式の茶餐廳があるとは聞いていましたが、ここにあったとは知りませんでした。

香港旅行の際、茶餐廳にはお世話になっています。

見たところ、混雑もしていない様子。

牛肉麺は若干心残りではありますけれど、もう大排檔茶餐廳に決めてしまいます。

欧米のカフェを意識した内装の店内で席に座り、メニューを眺めました。

思ったよりも、香港料理の定番が揃っていました。

食欲が湧いてきます。

お店の方に、香港人気取りで英語で注文を頑張りました。

待つことしばし。

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鴛鴦茶(Yuān yāng chá)ですね。

80元(日本円で約240円)でした。

コーヒーと紅茶を混ぜた、香港独特の飲み物なんですね。

香港で飲んだ味、台湾でまた出会えて、ひと息つけました。

シロップを入れて、甘くして飲むと元気が出ます。

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お料理も来ました。

スパイシーな香りに包まれます。

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XO醤炒飯です。

150元(日本円で約450円)でした。

XO醤は、香港料理で用いられる辛いソースなんですね。

香港で食べていないものですが、この機会だから食べてみたかったのです。

この炒飯はエビとイカとキャベツがたっぷり入って、XO醤で味付けしてあり、ピリ辛で出来立て熱々でした。

そして美味でした。

降り続く雨と風邪症状で寒気を感じていた折に、この辛くて美味しい炒飯をいただいて、体の芯から温まるような心地がしました。

これでこの後も、何とか観光が続けられそうです。

負け惜しみでなく、牛肉麺を食べるより結果的に良かったかも、と思いました。

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『島津戦記』新城カズマ

私、以前、鹿児島県に旅したことがありまして。

もともと鹿児島の風土と食べ物、そしてかの地に存在した薩摩武士たちの足跡に興味があったのです。

戦国大名島津(しまづ)氏に代表される、薩摩武士。

憧れを持って旅した鹿児島は、やはり刺激的な土地でした。

そういう体験があって、今でも鹿児島と島津氏に関わる書籍にはよく目を通しているのです。

そんな折、この小説を読みました。

島津戦記

島津戦記

 

新城カズマ氏による『島津戦記』です。

戦国時代の薩摩国(現在の鹿児島県西部にあった国)を舞台にした、伝奇小説なのですね。

 

鎌倉時代室町時代を通して、薩摩国守護大名であった、島津氏。

戦国時代に至って、後に島津家中興の祖と仰がれることになる偉人、島津日新斎(しまづじっしんさい)が現れ、自身の子息である島津貴久(しまづたかひさ)を島津家当主の座に据えることに成功します。

これを機に島津氏は、幕府の権威に頼っていた守護大名から脱皮し、実力を兼ね備えた戦国大名になったのです。

島津家当主島津貴久の子供たちである四兄弟の三男、島津歳久(しまづとしひさ)の視点を主軸に据えて、物語は進みます。

日本列島の西に存在感を誇る大国、明。

そしてその向こうに存在する天竺、南蛮の国々。

島津氏が治める薩摩国には、海流に乗ってそうした異国の人々が訪れます。

歳久の祖父である日新斎は、そんな世界と通じる地の利によって、広い見識を備えていました。

彼は島津家の興隆に関わる世界規模の壮大な構想を、島津家当主である貴久、そしてその子である歳久たち四兄弟に託します。

京の都を掌握した織田家の政治にも、遠い薩摩国から関与を深める島津家。

島津家一門は日新斎の構想に従ってまず南九州の統一、さらに九州全土の統一を目指すのでした。

しかし彼らの周囲を、様々な異国から集まった人々の思惑が取り巻きます。

 

島津一族の勇猛果敢な戦いぶり、例えば関ヶ原の合戦での島津義弘(しまづよしひろ)公による「島津の退き口」等々、日本史好きの人には恐らく有名でしょう。

ところが本作の主人公である歳久は、文化人としての教養を備えた、戦いよりも思索に傾倒する人物として描かれています。

そのため本作は戦よりもむしろ、歳久が少年の頃から体験した薩摩国での不思議な体験、異国の人たちとの出会い、親兄弟との係わり合いの描写を中心に物語が進行して行きます。

島津一族が武勇で活躍する活劇を期待すると、かなり面食らうと思います。

しかし見識があり内省的でもある歳久のキャラクタで、彼と島津家に起こる諸々の不思議な物語を追体験することが出来て、私は大変楽しめました。

島津氏、織田氏といった戦国時代の大名たちの熾烈な戦いが、日本列島の中だけで閉鎖されたものではなく、実は世界情勢からの強い影響を受けて左右されていたのかもしれない。

そしてその日本列島内での個々の戦いの結果が、翻って世界情勢に影響を与え返していたかもしれない。

そんな感慨がわきました。

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台湾旅行三日目(3)。雨の中の中正紀念堂。風邪引きで自販機飲料物色

せっかく台湾に来たので、観光地として有名な場所も見ておこう、と思いました。

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中正紀念堂(Zhōng zhèng jì niàn táng)ですね。

その門をレンタルサイクル越しに見ています。

中正紀念堂は、台湾を長く支配した中国国民党の、総統であった蒋介石(Jiǎng jiè shí)を記念して建てられた建物なのです。

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門からしてもう、とても大きいのですね。

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広場の先に立つ、中正紀念堂であります。

台湾に来て、こんな規模の大きな空間の使い方は初めて見ました。

広大な広場、巨大な建築。

これは中国大陸的な感覚でつくられた場所なのだろうな、と思いました。

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階段を上り、中正紀念堂に入ろうと思います。

結構な刺激的な場所に来ているのですが、ここまで歩いてきて、私は風邪の症状に苦しめられています。

中正紀念堂の広場内を歩いているうちに、雨が激しくなってきて私の症状も酷くなったのでした。

手早く中正紀念堂の見学を済ませて、どこかでひとやすみしたい気持ちです。

そんな気持ちで階段を上りきると、中正紀念堂の中では衛兵交代式の真っ最中でした。

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えらい人で、中は見えません。

密かに日本で買っておいたセルフィー棒を駆使して、人垣を超えた写真を撮ったのですね。

蒋介石の坐像前で行われる、衛兵の交代式でした。

戻りましょう。

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惚れ惚れするほど広い空間ですな。

土地の広い中国大陸に渡れば、こうした野放図な空間の使い方は随所に見られそうな気がします。

しかしここは国土の限られた島、台湾。

これだけの土地を確保したのも凄いですな。

国民党も、台湾で蒋介石を神格化しようとして頑張ったのでしょう。

台湾の歴史の中で蒋介石と国民党が果たした役割について、どう考えればいいのか、非常に難しいところです。

本心を言うと、「台湾の政治に、部外者が下手な感想を言うと大変なことになる」のを警戒しているのですね。

台湾の複雑な歴史、政治史については、関心を持った皆様が各自にお調べください。

私はひとやすみできる場所をこの公園内で探します。

 

公園内にベンチ等は多く設けられていても、雨が凌げる場所は非常に少ないです。

屋根がないのですね。

雨に打たれながら歩き回り、体が冷えて苦しくなってきました。

ようやく、公園敷地の外周にある屋根付き回廊を見つけて、その下のベンチに腰掛けることにしました。

飲料の自販機があるので、体力がつきそうなものを手に入れます。

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お粥が売ってました。

八寶粥(Bā bǎo zhōu)ですと。

温かければなおよかったのですが、今は贅沢は言っていられません。

いただきます。

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折り畳み式のスプーンがついています。

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小豆等の穀物がいろいろ入っていて、日本でいうお汁粉に近い、あまーいお粥でした。

いただいて、少し元気が出ました。

ただ、まだ物足りない感じ。

もっと元気が欲しいですね。

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こういう回廊の下で、雨を凌いでいます。

ベンチに座って、胡弓の音色を奏でている方もいました。

焦る心が、少し落ち着きました。

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素敵な庭園もあるのですが、大雨と風邪の症状に弱りきっている私は鑑賞する余裕もありません。

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屋根の下に新たな自販機を見つけたので、何か買います。

体が冷えたところに、冷たい飲み物しかないのがつらい。

まだ6月で、本来ならこれから暑くなる時候ですからね。

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日本のお笑い芸人の渡辺直美さん、もともと台湾出身だということもあってか、台湾でも活躍されているみたいですね。

異国で体調の悪いときに、日本で見慣れた顔を見るのは意外に回復効果があるもので、驚きました。

渡辺さんのことが、前よりも少し好きになりました。

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藁にもすがる思いで、健康補給飲料を飲みます。

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同じ自販機でチョコスナックも買えます。

日本でもよく見るタイプのお菓子ですね。

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紙製の筒の天地を、ゴム製の蓋で閉じてあります。

この蓋を取り外して、開けるのですね。

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既視感。

美味しくいただきました。

ところで私、自販機飲料とお菓子から栄養を取ろうと焦りながら、その最中に手持ちのバッグの中に風邪薬を携帯していたことを思い出したのですね。

最初から風邪薬を飲めばよかったのです。

今さらながら、健康補給飲料で飲み下しました。

台湾観光ができる最後の本日、すぐにでも体調が持ち直して、観光を続行できるといいのですが。

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『Doctor Sleep』Stephen King

前作"The Shining"を読んで間を空けず、本作を読みました。

Doctor Sleep

Doctor Sleep

 

続編です。

Stephen Kingの作品、"Doctor Sleep"です。

Kingの代表作のひとつであり、1970年代の終わりに書かれた名作"The Shining"。

この続編が、前作の刊行から30年以上を経た2013年に発表されていたのですね。

 

前作の主人公であった少年、Danny。

作品世界でも時は進み、彼は40代の大人の男性になっています。

前作の舞台であった"The Overlook"での体験に責めさいなまれ、亡き父の生き方をなぞるような自身の現状にも向き合わなければならないDanny。

転落し、追い詰められながら、ホスピスでの職をかろうじて得たのでした。

入院患者の最期を次々と看取る彼は、畏怖を持って"Doctor Sleep"と呼ばれるようになります。

束の間の平穏の中、彼は自分と同じく"The Shining"を持つ少女、Abraの存在に気付きます。

その彼女は、幼い頃のDannyを凌ぐほどの、強大な能力の持ち主でした。

能力者同士の出会いは、皮肉にも、"The Shining"を狙う邪悪な者たちとの戦いに導かれたものでした。

Abraを守るため、Dannyは命を賭けた戦いに身を投じます。

 

ゴシックホラーの趣きが強かった前作からは作風を転じて、本作は超能力者と異形の存在との戦いを描いた活劇作品になっています。

DannyとAbra、そして彼らを取り巻く人たちが力を合わせて生き抜く中で、Dannyが家族との絆、血の繋がりを再確認する物語は、胸にくるものがありました。

"The Shining"が、まったく作風の違うこの続編を生んだことは驚きですが、それぞれの根底にあるテーマ、家族愛は通じています。

前作を読んでいないとわからない話が出てくるので、本作を読む前に前作を読んでおくことは前提です。

そしてもし前作を読んでいるのなら、本作を読まないのはもったいない、とも思います。

私は大変面白く読みました。

 

ところで私はどうもKingの手頃な作品ばかり読んでしまって、まだ大部の"IT"に手がつかない現状です。

小説を楽しみながら読める速度が、もう少し速くなると嬉しいのですが。

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台湾旅行三日目(2)。檳榔店を眺めて歩く。剝皮寮から西本願寺広場へ

朝食を済ませたお店、達人豆漿大王(Dá rén dòu jiāng dà wáng)から、大通り沿いに歩いていきます。

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雨が降り続いて、風情はあれど、歩くのがつらくて嫌になってしまいます。

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台湾で、歴史のあるレトロ建築がスターバックスのお店になっているのをよく目撃しました。

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鳥の販売店が集まる通りに、檳榔(ビンロウ、Bīn láng)のお店を見つけました。

檳榔はヤシ科の植物で、この木の実を噛み煙草のように口の中で噛んで味わう、台湾名物の嗜好品なんですね。

台湾の街角の至るところに、この檳榔を扱うお店があるのですね。

放射線状に棒が六本飛び出たような形のネオンが、檳榔店の目印なのです。

伝統的に、露出度の高い服装をした若い女性が店内で販売していることが多く、若干の妖しい雰囲気を醸し出しています。

稀に、中高年の男性が販売している異色のお店もあって、それもまたセオリー破りで面白いのですがね。

私は煙草を吸う習慣も無いし、檳榔は噛んだ後にタイミングよく実を吐き出さないと中毒になると聞いていたので、身の安全をとって挑戦しませんでした。

お店を外から眺めるだけです。

無理をしない台湾旅です。

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剝皮寮(Bāo pí liáo)と言われる界隈にやってきました。

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趣きあるレトロ建築のアーケード下を歩いていきます。

雨に降られっぱなしの台湾旅ですが、建物の軒下を歩けば濡れないようになっているのはありがたいことです。

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剝皮寮の歴史的建物群は観光スポットになっていて、ボランティアの解説員の方々も常駐しています。

中には日本語ができる方もおられるようでした。

パンフレットも、日本語のものが用意されてあります。

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剝皮寮から出た後、北に向かっていきます。

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やはり檳榔のお店が気になります。

どうもこの道沿い、多いんですね。

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「太陽神」ってスケールの大きい店名ですな。

いろんな檳榔店がありますね。

私は買いませんが。

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西門の街に至る道の途中に、「西本願寺広場」という場所があります。

日本統治時代に、本願寺の寺院があった場所なのですね。

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鐘楼が再現されています。

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本殿跡は、土台だけ残っています。

この界隈、寺院が火事で焼失した後、違法建築の住宅が密集して建ち並んだそうで。

近年になって、それらの違法建築の住宅を撤去して、緑地公園として整備し直したのですね。

並々ならぬ苦労があって、そこまでして本願寺公園を整備した理由はなんなのか…そこは気になるところでした。

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敷地内に野良犬っぽいワンちゃんがいて、やたらと私の後をついてくるんですね。

あまり近くに来るものだから怖くなって手で「シッシッ」と追い払おうとしたら、遠くからこちらの状況に気付いたらしい飼い主らしい人が呼び戻す声がして、ワンちゃんはそっちに走っていきました。

飼い犬だったんですね。

人様が飼っている犬に「シッシッ」などと振舞ってしまい、赤面しました。

以前に旅した香港でも思いましたが、日本以外の国では、猫と同じで野良なのか飼われているのか曖昧な状態の犬もいるんだな、ということを実感しています。

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