台湾旅行二日目(6)。基隆からバスで淡水へ。素敵な淡水観光
中正公園から市街地に戻りました。
もうだいたい基隆の見所はおさえたかな、という気持ちです。
もちろんひとつの街の魅力は早々にわかるものではないのですが…。
降り続く雨に、街角の隅々まで歩いて魅力を探す気力は今の私には無いのでした。
若干の疲れを感じます。
こういうときは、思い切って移動しましょう。
同じく台湾北部の港町、淡水(Tamsui, Dàn shuǐ)に向かうことにしました。
淡水も基隆と同じく、有名な観光地なのです。
基隆車站近くにある商店街沿いのバス停で、しばらく淡水行きのバスを待ちます。
基隆から淡水に行くバスは本数が少ないようで、かなり待たされました。
しかし乗れば乗ったで車窓の旅であります。
海辺の道を走っていますが、雨模様ですね。
淡水の地は、基隆の西、陽明山國家公園(Yáng míng shān guó jiā gōng yuán)を挟んだ向こう側にあります。
陽明山國家公園は陽明山を中心にした景勝地で、火山の噴火口、温泉、自然豊かな散策路など見所たくさんの場所なのです。
今回の旅、私も当初この陽明山の観光を予定していたのですが、台湾上陸時から雨だったので、あきらめた経緯があります。
ちなみに陽明山の名前の由来になっているのは中国の明代の儒学者、王陽明なんですね。
王陽明の興した儒教の一派、陽明学は江戸時代に日本にも伝わり、武士階層に大きな影響を与えました。
「知行合一(思想の実践)」を旨として、幕末の志士たちの思想を支えた陽明学。
ある種、現代日本の基盤をつくった学問であるとも言えるわけですね。
その創始者である王陽明の名も、今日の日本ではなかなか耳にする機会がありませんが。
そんな偉大な王陽明の名を冠した山のぐるりをまわって、淡水に来ました。
煉瓦造りのお洒落な建物の近くでバスから降ろされました。
淡水車站の駅舎です。
観光客らしい人たちがあふれています。
人気の観光地のようですな。
煉瓦建築でレトロ趣味を満喫。
玄関口が素敵だと、これから散策する街にもおのずと期待してしまいますね。
淡水河の河口にあり、スペイン、オランダ、イギリスと西洋の列強国の拠点となった街、淡水。
古くから西洋文化の影響を受けてきた名残りが街のそこかしこにあるのですね。
観光客でにぎわう淡水老街沿いの目抜き通り、中正路を歩きます。
風情があって、なおかつ飲食店、お土産店等のお店が多い淡水老街です。
中正路側だけでなく、淡水河に面した環河道路側にもお店が並んでおります。
淡水河の向こうには、観音山を背景にした八里(Bā lǐ)の街が望めます。
八里にも夜市などがあって、淡水から渡し舟で渡れるそうなのです。
時間があれば、私も後で渡ってみようと思います。
老街の中に媽祖廟もちゃんとあります。
外から拝みました。
西洋的な要素と台湾的な要素が混ざり合って、洗練された観光地です。
淡水、気に入りました。
歩いていて、ついつい浮かれた気持ちになってしまいます。
神戸の居留地のような界隈ですな。
ここに、紅毛城(Hóng máo chéng)という西欧列強時代のお城が残っているんです。
そのお城をこれから見学してみたいと思います。
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台湾旅行二日目(5)。雨の中正公園で迷う
基隆車站界隈から中正公園(Zhōng zhèng gōng yuán)までは、歩いて行っても20分ほどで着きます。
ただ大雨が降り始めて、ちょっと歩くのがつらくなってきました。
公園は高台の上にあります。
その入口には鳥居のような立派な門があって、わかりやすいです。
この中正公園、もともとは日本統治時代に「基隆神社」があった場所を戦後公園として整備した場所なのだそうです。
基隆神社には様々な神様がお祀りされていましたが、もともとは金比羅神社だったということです。
香港、台湾で信仰の篤い媽祖と同じく、金比羅神社の金比羅さんも航海の神様なのですね。
私のハンドルネームの由来でもあります。
海に囲まれた島国の台湾で、日本人が各地に金比羅神社を建立したのも、わかる気がします。
日本人がいなくなった途端に神社が廃されてしまったのは、皮肉なことではありますが。
神社時代の名残り、石灯籠もあります。
台湾っぽくなくて。
異質です。
基隆神社のお社跡には、台湾人の父祖と戦没者とを祀る忠烈堂が建っています。
これは何の紋でしょうね。
雨が降っていなければ、散策の楽しい場所だと思います。
ただ木々の間を行く散策路はどこに繋がっているのか若干わかりにくく、迷います。
この建物は民俗文物館だということですが、閉まっていました。
工事等で、しばらく閉鎖されるそうで。
この文物館の裏手に廻ると、基隆港の風景が見られます。
遠方の港湾部にあるおびただしい数のクレーンを目視しました。
もう少し高台にある広場から改めて景色を眺めたいのですが、結局その広場に行くことができなかったのです。
公園内の散策路には封鎖されている場所もありまして。
雨足も強いので、私は広場まで行く他の道を探す気力を削がれたのでした。
広場には基隆名物となっている、大きな白い観音像も立っているのだそうです。
できればその観音像の姿を拝みたかったのですが…。
若干、後ろ髪を引かれる思いです。
再び、市街地に向けて階段を降ります。
基隆の観光はこんなものかな、とひと区切りつける気持ちになっていました。
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台湾旅行二日目(4)。基隆の街で素食自助餐のお昼
悲しい思いをした和平島海角樂園から、再びバスに乗って基隆市街地に戻って参りました。
基隆港にはクルーズ船コスタ・フォーチュナが停泊しています。
このコスタ・フォーチュナ、後日、日本に向かう船でした。
長い時間をかけて鹿児島、神戸、大阪などを巡航して、各地の港に立ち寄り、また基隆に戻って来るのです。
そんな優雅な船旅を、いつかはしてみたいものですね。
海角樂園を早々に後にしてきて、まだ昼時でした。
まだ基隆を満喫できていない気持ちです。
どこか観光できる場所を探す前に、まずお昼を済ませようと思いました。
商店街の中を行きます。
自助餐(Zì zhù cān)の素食(Sù shí)のお店がありました。
素慈素食。
自助餐は台湾の大学街などに多い、お手頃なビュッフェスタイルのお店のことです。
そして素食というのは、お肉を使わない菜食主義の食事のことなんですね。
入ってみましょう。
スペースの限られた店内です。
中央に、各種のおかず入れが設置された横長のステンレス製の台があります。
その周囲を巡って好きなおかずをプレートに取り、レジカウンターに持って行きます。
レジの横で、お好みによりご飯を盛ってもらいます。
その後、清算です。
取ったおかずの種類などにより、料金は変わるみたいです。
自助餐は、その課金の基準は店ごとに違うようですね。
清算を済ませたら、店の奥にあるテーブル席で、いただきます。
私が好きなように取ったら、こうなりました。
これで確か70元ほど(約280円)だったと記憶しています。
とてもお手頃。
このお店のも味がよく染みて、うまうま。
ご飯は、黒米と麦を炊いたものでした。
麦の食感が最高!
栄養価の高そうな黒米、こちらも普段あまり食べる機会がないので、嬉しいですね。
ほのかな甘味を噛み締めました。
美味しいご飯でお腹がいっぱいになりました。
私が選んだもの以外も、用意されているおかずはどれも野菜を調理したものばかりなので、健康によさそうです。
店内の片隅では、セルフサービスでスープがいただけるのですが、このスープもだしが効いて美味でした。
台湾の素食自助餐のお店は、どうも仏教思想に基づいて運営されているようですね。
おかずは殺生をしないでこしらえた菜食、そしてセルフサービスの代わりに料金お手頃設定。
台湾にはお肉を使った美味しい食べ物がたくさんありますが、その反面、素食のお店のような試みもあるんですね。
台湾料理の世界の奥深さを感じました。
食べ終わって、お店を出ます。
再び、基隆車站の旧駅舎前に来ました。
どこへ行こうか、思案中です。
天気はとても悪いですが、展望台のある中正公園という場所から基隆の街が一望できるらしいので、そこまで歩いてみようと思います。
歩きの途中で見たコスタ・フォーチュナと、その脇の基港ビル。
コスタ・フォーチュナの大きさがよくわかります。
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『In Order to Live: A North Korean Girl's Journey to Freedom』 Yeonmi Park
ずいぶん前に購入して、ただしばらくは読む気になれなかったのです。
最近、思い立って冒頭のページを試し読みしてみて、その流れのまま数日かけて最後まで読んでしまいました。
In Order To Live: A North Korean Girl's Journey to Freedom
- 作者: Yeonmi Park
- 出版社/メーカー: Penguin
- 発売日: 2016/07/07
- メディア: ペーパーバック
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Yeonmi Park著、"In Order to Live: A North Korean Girl's Journey to Freedom"です。
DPRK(Democratic People's Republic of Korea、朝鮮民主主義人民共和国)を脱出した「脱北者」である著者の体験記でした。
DPRKでは上流の家柄で裕福な家庭に、両親、姉と暮らしていた著者、Yeonmi。
しかし国有物の窃盗を行っていた父親の逮捕をきっかけに生活状況が悪化し、あるとき彼女は隣国の中国に脱出することになります。
ところで私は以前にも彼女と似た立場の方が書いた伝記本を読んでいます。
Hyonseo Leeさんの"The Girl With Seven Names"でした。
この本の中では、度重なる危機を主人公である著者が危ういところで切り抜ける展開が続き、冒険譚のように読めてしまうことができました。
まるである種の娯楽作品であるかのように読んでしまえる面があったのです。
でも今回読んだYeonmi Parkさんの本では、著者を含めた脱北者の人々が、危機から逃れることができずに酷い運命に晒されます。
脱北ブローカーの手引きを経て中国の国境付近に潜伏、韓国への移住を計る中、脱北者たちは人間扱いをされません。
中国当局への密告をされると捕まってDPRKに送還されてしまう弱い立場なので、密告をされないためにはどんな目に遭っても耐え忍ぶ他ないのです。
そうした過酷な環境と非道な仕打ちにも、生き延びるために順応しないといけない脱北者たちの姿が描かれ、胸が締め付けられるような思いがしました。
間一髪のところで危機を避け続けることができる脱北者など、少ないのですね。
ただ、生きてさえいれば、希望を持ち続けることはできます。
深い傷を負い、それでも明日を信じて生きて行く人たちの姿に、本を読んでいる自分も勇気づけられます。
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台湾旅行二日目(3)。和平島、海角樂園を目指して行く
基隆車站前のバス停から和平島行きのバスに乗り込みました。
和平島は基隆の北岸に接する島で、ちょうど基隆港から外洋への入口に位置しているんですね。
和平島海角樂園はその和平島の北側にあります。
橋が繋がっているので、陸路で行くことができます。
基隆の市街地から郊外へ、坂道をしばらくバス内で揺られた後、「和平島」のバス停で降りました。
私がバスに乗っている間に、また雨が降り出しています。
バス停の近くに、立派な廟がありました。
由来はわかりませんが、立派なものですな。
祀られている神様もわからないながら、外から手を合わせました。
雨が早く止んでくれますように。
和平島海角樂園に向けて、下町の風景の中を行きます。
目的の場所へはこの方角であっているのですが、案内等が乏しいので、途中不安になって脇道に入り込んで迷ってしまいました。
迷い込んだ脇道の先に、天后宮(Tiān hòu gōng)がありました。
こちらは私も由来がわかります。
道教の、航海と漁業を司る女神、媽祖(Mā zǔ)を祀った廟でしょう。
香港に旅した際、この媽祖を祀った天后宮を何度か見かけました。
台湾でも媽祖は篤く信仰されているということです。
香港も台湾も、海に関わって生きる人たちが多い故なのですね。
この基隆天后宮は大きなもので、美しい建築です。
和平島の見所のひとつと言えるでしょう。
内部の意匠も素晴らしいですね。
道に迷う最中、参拝して心が落ち着きました。
道に迷ったおかげで、ここに来れました。
あとは雨が止んで、私の旅路が滞りなく進みますように。
基隆天后宮参拝の後、なんだかんだで最初に降り立ったバス停に戻ってきました。
ここが和平島海角樂園の最寄りのバス停なので、もう一度観光案内の掲示等を見て公園への方角を確認しようと思ったのです。
確認したところ、やはりこのバス停沿いの、最初に歩いていた目抜き通りをまっすぐ進めば着く模様。
行きましょう。
雨足が強くなる中を歩き続け、目的の公園にたどり着いたようです。
最寄りのバス停から遠い!
駐車場の奥に海角樂園の入口があります。
どうせならこの駐車場内に最寄りのバス停をつくれなかったのか、と雨の中を長々と歩いてきた私は思いました。
雨の中を長々と歩くと、そうした愚痴が増えてきます。
この公園、海に接する小山の周辺を廻る形でつくられているのですね。
波の浸食でできた面白い形の岩群というのも、あの小山の向こう側にあるらしいです。
公園内には海を仕切って設けられた珍しいプール型の海水浴場なんかもあるんですが、泳いでいる人はいませんでした。
海も若干荒れています。
この天気で、公園内にいる観光客の姿もまばらです。
海水プールの向こうの海沿いに奇岩らしい風景が見えてきました。
この小山の周囲を迂回して向こう側に行くと、より形の際立った奇岩なり山肌の洞窟なりがあるんだそうですよ。
楽しみですね。
ただ大雨が降って土砂崩れか何かあったみたいで、迂回路は閉鎖されているんですね。
小山の向こう側には行けません。
全部、雨のせいです。
せっかく来たので、見られる限りの奇岩を見ておきます。
本来ならこれらをもっと極端にしたものが小山の向こうで見られたかと思うと、残念であります。
煙る雨雲の下の海辺の風景を、その場に立ち止ってしばらく眺めていました。
自分の将来についてぼんやりと考えました。
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台湾旅行二日目(2)。基隆車站周辺を散策
台北より北東にある海沿いの街、基隆です。
基隆車站の駅舎から出て参りました。
駅舎前のロータリー、バス停の向こうに、港に停泊している大きなクルーズ船の頭がのぞいていますね。
基隆は古くからの港町であります。
もともと近隣で採掘される石炭の積み出し港として発展し、いまや国際貿易港になっているのですね。
雨が小休止している間に、港の風景を楽しみます。
このまま一日、降らずにいて欲しいものですが。
HOLLYWOODを模したように、KEELUNGの文字が山の上に浮かび上がっています。
基隆で映画産業が盛んだとは私は聞いたことがありませんが、何かあるのかもしれません。
基隆車站のすぐ北側、道路沿いに飲食店が並んでいる界隈があります。
朝からお粥に三明治(Sān míng zhì、サンドイッチ)など、朝食向けの軽食を売るお店が並んでいます。
赤ちゃんをあやす地元の方々の姿もあって、なごみました。
私も何かこの並びで朝食を食べたいと思うのですね。
目をつけた軽食店に入り、カウンター前に立ちました。
壁に貼られたお品書きの「油飯(Yóu fàn)」というのが、なんだかむやみに美味しそうな字面で。
丼に盛られたご飯の上に、お肉とネギか何か乗せた上から脂っこいタレをたっぷりかけた料理だろう、と私は想像したのであります。
いい香りのする飲食店の前を歩いてきて、私も朝から食欲が刺激されております。
カウンター内の店員さんに、油飯を頼みました。
しかし私の発音が悪いのか、何度も聞き返されてしまいます。
私はヨウファン、と言っているのですが、中国語の発音は難しいのですね。
どうあっても通じないので、仕方なくメモ帳とペンを取り出しました。
本日二度目の筆談であります。
油飯と書いて見せると相手にも通じた様子。
「沒有(Méi yǒu)」と返されました。
沒有って「ありません」って意味ですね。
壁のお品書きに書いているのに…すでに売り切れてしまったようです。
美味しそうな油飯の姿を勝手に想像しておなかを空かせていたのに、拍子抜けしてしまいました。
空腹のまま、バス停に参ります。
バス停側から基隆車站の駅舎を撮りました。
壁面に可愛らしいデザインが施されているんですね。
この駅舎は旧駅舎でして、台鐵を利用するには中を通り奥まったところにある新駅舎の方に行く必要があります。
駅としてはもう稼動していませんが、旧駅舎の中にはセブンイレブンの店舗があって、また中に日本統治時代の絵地図の展示もあって目を引きます。
床一面に大きな台湾の絵地図が描かれていて、見ものです。
壁面にはこんな絵地図も。
上の方には台湾だけでなく日本、朝鮮半島、中国大陸の地名も書き込まれています。
基隆から南へ行った台湾北東部の山上には日本の金比羅神社もあった模様です。
今私がいるこの異国の地を、日本が自国の領土として取り込んでいた時代があったのですね。
その頃の台湾がどんな雰囲気だったのか、なんだか想像もつきません。
もっと台湾を知るためにも、今日は基隆界隈を散策して参りましょう。
バス停から、和平島海角樂園(Hé píng dǎo hǎi jiǎo lè yuán)という場所に向かいます。
そこは海辺にある公園で、波の侵食を受けて面白い形になったたくさんの岩を見ることができるんだそうです。
バス停でバスが来るのを待つ間、私は朝食代わりの菓子パンを食べます。
あらかじめ、基隆車站内のセブンイレブンでおやつとして買っておいたのです。
統一麺包(Tǒng yī miàn bāo)というブランドの芝麻肉鬆派司(Zhī ma ròu sōng pài sī)というパンでした。
以前、香港のセブンイレブンで買って食べた菓子パンがとても美味しかったので、台湾の同種のパンにも期待するところが大です。
日本で言うところのでんぶですね、細かくほぐして味付けしたお肉が入っています。
ゴマも入っていて、風味がいいです。
パン生地はデニッシュでした。
先ほど台湾らしい油飯の朝食を食べ損ねたので、今回はこのお肉パンで我慢しますよ。
台湾では地下鉄、路線バスなど各種交通機関での飲食は禁止されていますので、バスに乗り込む前に食べておかないといけません。
目的のバスが今にもやって来そうな雰囲気を感じたので、菓子パンを急ぎ気味にいただきます。
なかなか美味しいパンでした。
しかし食べ終わった後、実際に和平島行きのバスが来るまでは、しばらく時間がかかりました。
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台湾旅行二日目(1)。台北車站から基隆へ。自強號で、もめる?
朝の台北車站界隈です。
朝から雨…。
気持ちが沈みますが、せっかく台湾に来たのです。
無理くりにでも観光いたしますよ~。
今日も大きな台北車站。
中に入って、台灣鐵道(Tái wān tiě dào)の列車に乗りますよ。
台鐵の列車で、台湾北東部の港町、基隆(キールン、Keelung、 Jī lóng)に向かいます。
港町が好きなのでね。
台鐵の改札にやってきました。
ところが、どうも見たところ、こちらの改札では悠遊卡(Yōu yóu kǎ)が使えないようでした。
対応している改札が見当たらないんです。
路線バスに地下鉄と、各種交通機関の乗車で便利な電子カード、悠遊卡。
初日から頼りっぱなしですが、台鐵では導入されていない?模様。
それで改札前の自動車券販売機で基隆行きの「自強號(Zì qiáng hào)」という特急列車の切符を買って、改札を抜けました。
地下のプラットホームへ。
しかしホームで気付いたんです。
電光掲示版に、基隆行きの自強號の発車時刻が表示されていまして。
次の便、なんとこれから数時間待たないと来ないんですね。
やってしまったと思い、ホームを通って地上に上がり、向こう側の改札口にいた係員に自強號について尋ねました。
若い男性の係員で、英語が通じます。
丁寧に説明してもらえました。
彼が言うところでは、やはり数時間待たないと自強號の次の便は来ないそうで。
基隆行きの自強號は一日の運行本数自体が少なかったんですね。
かわって各駅停車である「區間車(Qū jiān chē)」の便はいくらでもあるそうで。
それなので一度反対側の改札に行ってそこにいる係員に切符の払い戻しをしてもらい、改めて切符を買い直すといい、とのこと。
私もそれがいいと思ったんですね。
再びホームを通り、反対側の、最初に入ってきた改札へ戻ります。
この改札脇で椅子に座っていた年配の男性係員に切符を見せながら、「払い戻しを受けたい」旨を英語で訴えたのですね。
ところがこちらの係員は、英語は通じない模様。
私が差し出す切符を一瞥した後、何か早口で言ってホームへ降りる階段の方を指差したきり、こちらの顔を見もしません。
おそらく「いいからその切符で區間車にでも乗れ」と言ってるのだと思うんです。
しかし、私は、ケチなんですね。
割高な自強號の料金で、區間車に乗るようなもったいない真似はできないんですよ。
それに、このおっさん係員、横柄な態度で。
正直カチンと来たところもあるんですね。
このまま引き下がるのは癪に触ります。
英語がわからないから、投げやりな対応をされたのかもしれない。
こうなれば、もう知る限りの中国語を駆使して、筆談を試してやろうと思ったんですよ。
ペンとメモ帳を取り出しました。
「我買了自強号的車券、但是我要区間車的車券」。
自強號の切符を買ったが區間車の切符が必要だ、という意味のつもりです。
こう、中国語の繁体字も簡体字もろくにわからないので、日本の漢字で頑張ってメモ用紙に書きました。
それでこのメモ用紙を、さっきのおっさんのところに持って行ったんですね。
おっさんは私が書いた文章を一瞥して、さっきと同じ短い言葉を放って、ホームに降りる階段を指差しました。
そしてその後はこちらの顔を見もしません。
やっぱり「いいからその切符で區間車にでも何でも乗れ」と言ってると思うんですね。
依然としてやる気の無いおっさんのなげやりな態度です。
私の頭には血が昇りました。
頑張って筆談まで試みたのに、さっきと全くおんなじ反応ってどういうこと!
しかし頭に血が昇ったところで、中国語が話せないと抗議もできません。
どうなってるんだ、台鐵のサービスは!
そう心の中で相手に怒鳴りつけて、実際はおとなしく階段を降りてホームに行き、やってきた基隆行きの區間車に乗り込みました。
自強號の切符は區間車切符より日本円にして80円ばかり高いだけ。
80円の損のために頭に血を昇らせて、寿命を縮めていては割に合わない。
そう自分に言い聞かせるようにして、何とか怒りを鎮めました。
あの係員のおっさんにしても「たった80円程度が惜しくて人の手をわずらわせるなよ」ぐらいの気持ちで、ぞんざいな対応だったのかもしれません。
しかし最初に話した若い係員は親切だったので、このおっさん係員の対応を、どうしても私は厳しく見てしまうのでした。
外国人対応には世代間で差が出てしまうのも、無理のないところだとは思うのですが。
そうやっていまだ腹を立てながらも、列車に乗り込んだ以上は車窓の旅を楽しみます。
台北から基隆までは西部幹線という路線で、區間車に乗っても一時間弱の台鐵の旅です。
雨模様の下、緑豊かな台湾の風景を味わいました。
しかし途中で経由した台鐵の駅々は、車内から見る限り老朽化したホームのものが多かったのですね。
それで、終点の基隆車站はどうなのだろう、と思っていたのですが。
降り立った基隆車站地下のホーム、綺麗でした。
水事情の悪い台湾にあって、飲める水の給水機が備え付けられているのも嬉しいです。
基隆に来るまでにひと悶着ありましたが、これから気分を変えて街歩きを楽しみたいと思います。
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