『In Order to Live: A North Korean Girl's Journey to Freedom』 Yeonmi Park
ずいぶん前に購入して、ただしばらくは読む気になれなかったのです。
最近、思い立って冒頭のページを試し読みしてみて、その流れのまま数日かけて最後まで読んでしまいました。
In Order To Live: A North Korean Girl's Journey to Freedom
- 作者: Yeonmi Park
- 出版社/メーカー: Penguin
- 発売日: 2016/07/07
- メディア: ペーパーバック
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Yeonmi Park著、"In Order to Live: A North Korean Girl's Journey to Freedom"です。
DPRK(Democratic People's Republic of Korea、朝鮮民主主義人民共和国)を脱出した「脱北者」である著者の体験記でした。
DPRKでは上流の家柄で裕福な家庭に、両親、姉と暮らしていた著者、Yeonmi。
しかし国有物の窃盗を行っていた父親の逮捕をきっかけに生活状況が悪化し、あるとき彼女は隣国の中国に脱出することになります。
ところで私は以前にも彼女と似た立場の方が書いた伝記本を読んでいます。
Hyonseo Leeさんの"The Girl With Seven Names"でした。
この本の中では、度重なる危機を主人公である著者が危ういところで切り抜ける展開が続き、冒険譚のように読めてしまうことができました。
まるである種の娯楽作品であるかのように読んでしまえる面があったのです。
でも今回読んだYeonmi Parkさんの本では、著者を含めた脱北者の人々が、危機から逃れることができずに酷い運命に晒されます。
脱北ブローカーの手引きを経て中国の国境付近に潜伏、韓国への移住を計る中、脱北者たちは人間扱いをされません。
中国当局への密告をされると捕まってDPRKに送還されてしまう弱い立場なので、密告をされないためにはどんな目に遭っても耐え忍ぶ他ないのです。
そうした過酷な環境と非道な仕打ちにも、生き延びるために順応しないといけない脱北者たちの姿が描かれ、胸が締め付けられるような思いがしました。
間一髪のところで危機を避け続けることができる脱北者など、少ないのですね。
ただ、生きてさえいれば、希望を持ち続けることはできます。
深い傷を負い、それでも明日を信じて生きて行く人たちの姿に、本を読んでいる自分も勇気づけられます。
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台湾旅行二日目(3)。和平島、海角樂園を目指して行く
基隆車站前のバス停から和平島行きのバスに乗り込みました。
和平島は基隆の北岸に接する島で、ちょうど基隆港から外洋への入口に位置しているんですね。
和平島海角樂園はその和平島の北側にあります。
橋が繋がっているので、陸路で行くことができます。
基隆の市街地から郊外へ、坂道をしばらくバス内で揺られた後、「和平島」のバス停で降りました。
私がバスに乗っている間に、また雨が降り出しています。
バス停の近くに、立派な廟がありました。
由来はわかりませんが、立派なものですな。
祀られている神様もわからないながら、外から手を合わせました。
雨が早く止んでくれますように。
和平島海角樂園に向けて、下町の風景の中を行きます。
目的の場所へはこの方角であっているのですが、案内等が乏しいので、途中不安になって脇道に入り込んで迷ってしまいました。
迷い込んだ脇道の先に、天后宮(Tiān hòu gōng)がありました。
こちらは私も由来がわかります。
道教の、航海と漁業を司る女神、媽祖(Mā zǔ)を祀った廟でしょう。
香港に旅した際、この媽祖を祀った天后宮を何度か見かけました。
台湾でも媽祖は篤く信仰されているということです。
香港も台湾も、海に関わって生きる人たちが多い故なのですね。
この基隆天后宮は大きなもので、美しい建築です。
和平島の見所のひとつと言えるでしょう。
内部の意匠も素晴らしいですね。
道に迷う最中、参拝して心が落ち着きました。
道に迷ったおかげで、ここに来れました。
あとは雨が止んで、私の旅路が滞りなく進みますように。
基隆天后宮参拝の後、なんだかんだで最初に降り立ったバス停に戻ってきました。
ここが和平島海角樂園の最寄りのバス停なので、もう一度観光案内の掲示等を見て公園への方角を確認しようと思ったのです。
確認したところ、やはりこのバス停沿いの、最初に歩いていた目抜き通りをまっすぐ進めば着く模様。
行きましょう。
雨足が強くなる中を歩き続け、目的の公園にたどり着いたようです。
最寄りのバス停から遠い!
駐車場の奥に海角樂園の入口があります。
どうせならこの駐車場内に最寄りのバス停をつくれなかったのか、と雨の中を長々と歩いてきた私は思いました。
雨の中を長々と歩くと、そうした愚痴が増えてきます。
この公園、海に接する小山の周辺を廻る形でつくられているのですね。
波の浸食でできた面白い形の岩群というのも、あの小山の向こう側にあるらしいです。
公園内には海を仕切って設けられた珍しいプール型の海水浴場なんかもあるんですが、泳いでいる人はいませんでした。
海も若干荒れています。
この天気で、公園内にいる観光客の姿もまばらです。
海水プールの向こうの海沿いに奇岩らしい風景が見えてきました。
この小山の周囲を迂回して向こう側に行くと、より形の際立った奇岩なり山肌の洞窟なりがあるんだそうですよ。
楽しみですね。
ただ大雨が降って土砂崩れか何かあったみたいで、迂回路は閉鎖されているんですね。
小山の向こう側には行けません。
全部、雨のせいです。
せっかく来たので、見られる限りの奇岩を見ておきます。
本来ならこれらをもっと極端にしたものが小山の向こうで見られたかと思うと、残念であります。
煙る雨雲の下の海辺の風景を、その場に立ち止ってしばらく眺めていました。
自分の将来についてぼんやりと考えました。
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台湾旅行二日目(2)。基隆車站周辺を散策
台北より北東にある海沿いの街、基隆です。
基隆車站の駅舎から出て参りました。
駅舎前のロータリー、バス停の向こうに、港に停泊している大きなクルーズ船の頭がのぞいていますね。
基隆は古くからの港町であります。
もともと近隣で採掘される石炭の積み出し港として発展し、いまや国際貿易港になっているのですね。
雨が小休止している間に、港の風景を楽しみます。
このまま一日、降らずにいて欲しいものですが。
HOLLYWOODを模したように、KEELUNGの文字が山の上に浮かび上がっています。
基隆で映画産業が盛んだとは私は聞いたことがありませんが、何かあるのかもしれません。
基隆車站のすぐ北側、道路沿いに飲食店が並んでいる界隈があります。
朝からお粥に三明治(Sān míng zhì、サンドイッチ)など、朝食向けの軽食を売るお店が並んでいます。
赤ちゃんをあやす地元の方々の姿もあって、なごみました。
私も何かこの並びで朝食を食べたいと思うのですね。
目をつけた軽食店に入り、カウンター前に立ちました。
壁に貼られたお品書きの「油飯(Yóu fàn)」というのが、なんだかむやみに美味しそうな字面で。
丼に盛られたご飯の上に、お肉とネギか何か乗せた上から脂っこいタレをたっぷりかけた料理だろう、と私は想像したのであります。
いい香りのする飲食店の前を歩いてきて、私も朝から食欲が刺激されております。
カウンター内の店員さんに、油飯を頼みました。
しかし私の発音が悪いのか、何度も聞き返されてしまいます。
私はヨウファン、と言っているのですが、中国語の発音は難しいのですね。
どうあっても通じないので、仕方なくメモ帳とペンを取り出しました。
本日二度目の筆談であります。
油飯と書いて見せると相手にも通じた様子。
「沒有(Méi yǒu)」と返されました。
沒有って「ありません」って意味ですね。
壁のお品書きに書いているのに…すでに売り切れてしまったようです。
美味しそうな油飯の姿を勝手に想像しておなかを空かせていたのに、拍子抜けしてしまいました。
空腹のまま、バス停に参ります。
バス停側から基隆車站の駅舎を撮りました。
壁面に可愛らしいデザインが施されているんですね。
この駅舎は旧駅舎でして、台鐵を利用するには中を通り奥まったところにある新駅舎の方に行く必要があります。
駅としてはもう稼動していませんが、旧駅舎の中にはセブンイレブンの店舗があって、また中に日本統治時代の絵地図の展示もあって目を引きます。
床一面に大きな台湾の絵地図が描かれていて、見ものです。
壁面にはこんな絵地図も。
上の方には台湾だけでなく日本、朝鮮半島、中国大陸の地名も書き込まれています。
基隆から南へ行った台湾北東部の山上には日本の金比羅神社もあった模様です。
今私がいるこの異国の地を、日本が自国の領土として取り込んでいた時代があったのですね。
その頃の台湾がどんな雰囲気だったのか、なんだか想像もつきません。
もっと台湾を知るためにも、今日は基隆界隈を散策して参りましょう。
バス停から、和平島海角樂園(Hé píng dǎo hǎi jiǎo lè yuán)という場所に向かいます。
そこは海辺にある公園で、波の侵食を受けて面白い形になったたくさんの岩を見ることができるんだそうです。
バス停でバスが来るのを待つ間、私は朝食代わりの菓子パンを食べます。
あらかじめ、基隆車站内のセブンイレブンでおやつとして買っておいたのです。
統一麺包(Tǒng yī miàn bāo)というブランドの芝麻肉鬆派司(Zhī ma ròu sōng pài sī)というパンでした。
以前、香港のセブンイレブンで買って食べた菓子パンがとても美味しかったので、台湾の同種のパンにも期待するところが大です。
日本で言うところのでんぶですね、細かくほぐして味付けしたお肉が入っています。
ゴマも入っていて、風味がいいです。
パン生地はデニッシュでした。
先ほど台湾らしい油飯の朝食を食べ損ねたので、今回はこのお肉パンで我慢しますよ。
台湾では地下鉄、路線バスなど各種交通機関での飲食は禁止されていますので、バスに乗り込む前に食べておかないといけません。
目的のバスが今にもやって来そうな雰囲気を感じたので、菓子パンを急ぎ気味にいただきます。
なかなか美味しいパンでした。
しかし食べ終わった後、実際に和平島行きのバスが来るまでは、しばらく時間がかかりました。
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台湾旅行二日目(1)。台北車站から基隆へ。自強號で、もめる?
朝の台北車站界隈です。
朝から雨…。
気持ちが沈みますが、せっかく台湾に来たのです。
無理くりにでも観光いたしますよ~。
今日も大きな台北車站。
中に入って、台灣鐵道(Tái wān tiě dào)の列車に乗りますよ。
台鐵の列車で、台湾北東部の港町、基隆(キールン、Keelung、 Jī lóng)に向かいます。
港町が好きなのでね。
台鐵の改札にやってきました。
ところが、どうも見たところ、こちらの改札では悠遊卡(Yōu yóu kǎ)が使えないようでした。
対応している改札が見当たらないんです。
路線バスに地下鉄と、各種交通機関の乗車で便利な電子カード、悠遊卡。
初日から頼りっぱなしですが、台鐵では導入されていない?模様。
それで改札前の自動車券販売機で基隆行きの「自強號(Zì qiáng hào)」という特急列車の切符を買って、改札を抜けました。
地下のプラットホームへ。
しかしホームで気付いたんです。
電光掲示版に、基隆行きの自強號の発車時刻が表示されていまして。
次の便、なんとこれから数時間待たないと来ないんですね。
やってしまったと思い、ホームを通って地上に上がり、向こう側の改札口にいた係員に自強號について尋ねました。
若い男性の係員で、英語が通じます。
丁寧に説明してもらえました。
彼が言うところでは、やはり数時間待たないと自強號の次の便は来ないそうで。
基隆行きの自強號は一日の運行本数自体が少なかったんですね。
かわって各駅停車である「區間車(Qū jiān chē)」の便はいくらでもあるそうで。
それなので一度反対側の改札に行ってそこにいる係員に切符の払い戻しをしてもらい、改めて切符を買い直すといい、とのこと。
私もそれがいいと思ったんですね。
再びホームを通り、反対側の、最初に入ってきた改札へ戻ります。
この改札脇で椅子に座っていた年配の男性係員に切符を見せながら、「払い戻しを受けたい」旨を英語で訴えたのですね。
ところがこちらの係員は、英語は通じない模様。
私が差し出す切符を一瞥した後、何か早口で言ってホームへ降りる階段の方を指差したきり、こちらの顔を見もしません。
おそらく「いいからその切符で區間車にでも乗れ」と言ってるのだと思うんです。
しかし、私は、ケチなんですね。
割高な自強號の料金で、區間車に乗るようなもったいない真似はできないんですよ。
それに、このおっさん係員、横柄な態度で。
正直カチンと来たところもあるんですね。
このまま引き下がるのは癪に触ります。
英語がわからないから、投げやりな対応をされたのかもしれない。
こうなれば、もう知る限りの中国語を駆使して、筆談を試してやろうと思ったんですよ。
ペンとメモ帳を取り出しました。
「我買了自強号的車券、但是我要区間車的車券」。
自強號の切符を買ったが區間車の切符が必要だ、という意味のつもりです。
こう、中国語の繁体字も簡体字もろくにわからないので、日本の漢字で頑張ってメモ用紙に書きました。
それでこのメモ用紙を、さっきのおっさんのところに持って行ったんですね。
おっさんは私が書いた文章を一瞥して、さっきと同じ短い言葉を放って、ホームに降りる階段を指差しました。
そしてその後はこちらの顔を見もしません。
やっぱり「いいからその切符で區間車にでも何でも乗れ」と言ってると思うんですね。
依然としてやる気の無いおっさんのなげやりな態度です。
私の頭には血が昇りました。
頑張って筆談まで試みたのに、さっきと全くおんなじ反応ってどういうこと!
しかし頭に血が昇ったところで、中国語が話せないと抗議もできません。
どうなってるんだ、台鐵のサービスは!
そう心の中で相手に怒鳴りつけて、実際はおとなしく階段を降りてホームに行き、やってきた基隆行きの區間車に乗り込みました。
自強號の切符は區間車切符より日本円にして80円ばかり高いだけ。
80円の損のために頭に血を昇らせて、寿命を縮めていては割に合わない。
そう自分に言い聞かせるようにして、何とか怒りを鎮めました。
あの係員のおっさんにしても「たった80円程度が惜しくて人の手をわずらわせるなよ」ぐらいの気持ちで、ぞんざいな対応だったのかもしれません。
しかし最初に話した若い係員は親切だったので、このおっさん係員の対応を、どうしても私は厳しく見てしまうのでした。
外国人対応には世代間で差が出てしまうのも、無理のないところだとは思うのですが。
そうやっていまだ腹を立てながらも、列車に乗り込んだ以上は車窓の旅を楽しみます。
台北から基隆までは西部幹線という路線で、區間車に乗っても一時間弱の台鐵の旅です。
雨模様の下、緑豊かな台湾の風景を味わいました。
しかし途中で経由した台鐵の駅々は、車内から見る限り老朽化したホームのものが多かったのですね。
それで、終点の基隆車站はどうなのだろう、と思っていたのですが。
降り立った基隆車站地下のホーム、綺麗でした。
水事情の悪い台湾にあって、飲める水の給水機が備え付けられているのも嬉しいです。
基隆に来るまでにひと悶着ありましたが、これから気分を変えて街歩きを楽しみたいと思います。
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台湾旅行一日目(4)。台北車站から総統府へ。ドラゴンフルーツと台湾ビールもいただきます
台北車站周辺から、大通り沿いに南に歩いていきます。
次第に日が落ちてきました。
趣きのある建築を見ました。
入口に「監察院」と表札が出ています。
行政機関の施設なんですね。
官邸にあたる総統府を始め、行政機関が集まるこの界隈です。
薄暗くてわかりづらいですけれど、一帯は東京の霞ヶ関のような雰囲気なんですね。
どことはなしに圧迫を感じます。
ここでも方向感覚の鈍い私はうろうろと、さ迷いました。
政府関連の施設中心で商業施設の無い区域ですので明かりも少なく、街灯ばかりが頼りです。
交差点の中心に現れた門、東門(景福門)ですね。
総統府を守っているのですね。
ここから西に歩いて、その総統府を拝みに参ります。
総統府に近づくにつれ、道端に停車する警察車両の姿も増えてきます。
ものものしい雰囲気です。
ライトアップされているんですね。
警戒厳重で、楽しく観光する雰囲気でもないのですけれど、それでもこういう案内版が立ててくれてあります。
総統府のベストショットを撮れる場所があるそうですよ。
私はここまで近づいて撮るのが限界でした。
車道を渡って向こう側にも行けるのです。
ただ総統府の敷地内にはライフルを構えた憲兵の方々が直立して厳しい視線を周囲に向けておられるので、おっかなくて至近距離から撮影なんてできません。
それで至近距離では目視で総統府の建築を眺めましたが、日本の統治時代に建てられたレトロ建築で、風情のある建物でした。
また後日、明るい時間帯に再訪したいと思います。
歩き疲れましたので、台北車站の北にある宿まで帰ってきました。
その途中、宿の近くに遅くまで路上で営業している果物店を見つけたので、これを買ったのです。
私の好物、ドラゴンフルーツ(火龍果、Huǒ lóng guǒ)であります。
以前、香港旅行の際に食べてからやみつきになり、以後日本に帰ってからも折々に手に入れては食べていました。
あっさりした控えめの甘さとみずみずしく柔らかい果肉、そしてぷちぷちした小粒な種の食感がたまらないのです。
台湾産のドラゴンフルーツは、どんな感じなのでしょう?
皮を剥いてみると、こうでした。
果肉が赤い!
今まで食べたドラゴンフルーツは果肉の白いものばかりでしたので、新鮮な気持ちでした。
食べてみたところ、こちらの方が甘さも若干しっかりしているように思いました。
美味であります。
ドラゴンフルーツのお供に、こちらも忘れてはいけません。
コンビニで買っておいた台湾啤酒(Tái wān pí jiǔ)のブランド、金牌(Jīn pái)です。
台湾に来たらこれを飲まなければ、と思っていたのです。
苦味はそこそこ、あっさりして飲みやすいビールでした。
二本目はこちらを。
マンゴー味です。
台湾啤酒、このマンゴー味以外にも蜂蜜味、ブドウ味にパイナップル味などいろいろな種類があるんですね。
このマンゴー味、予想した以上の美味しさでした。
私は普段フルーツ味のお酒は飲まないのですが、このフルーツ風味の台湾啤酒はかなり好みです。
ビールの味がちゃんとあるうえにフルーツの甘みと香りが加わっていて、美味しかったです。
他の種類もいろいろと試してみたくなりました。
夕暮れ時に胡椒餅を食べて以降、まだ夕食らしい夕食を食べていませんでしたが、ドラゴンフルーツと台湾啤酒二本とでお腹がふくれました。
台湾旅は初日からよく歩いたのです。
明日に備えて、もう寝てしまいます。
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台湾旅行一日目(3)。美味しい胡椒餅。台北車站の周辺を歩く
台北の市街地に戻ってきました。
今夜の宿をなんとか確保できましたので、次はごはんを食べる場所を探して、台北車站周辺をうろうろします。
降り続く雨。
バイク大国台湾を象徴する写真を撮ろうと、バイクが並んで停まる交差点にカメラを向けたのですね。
そこで気付いたのですが、横断歩道を渡った先に気になるお店があるのです。
青信号を待って横断歩道を渡りました。
胡椒餅(Hú jiāo bǐng)のお店、「饒河街の」福州世祖胡椒餅でした。
胡椒餅とは、胡椒と辛いタレで味付けした豚肉とネギから成る餡を、小麦粉の生地で包み、窯でカリカリになるまで焼いた食べ物なのです。
私も台湾に来るまでにネット情報等でその美味しさについて聞いていたんですね。
ぜひともその胡椒餅、食べてみたいと思います。
店員の若いお兄さんたちが生地をこねたり窯に仕込んだり、合間にお客の誘導をしたり。
店の前の狭い通路に、胡椒餅を待つ人たちが並んでいます。
そうして待つお客の間から日本語の会話も聞こえてきました。
日本でも有名なお店なのかも?しれませんね。
私の順番がまわってきたので、50元(約200円)支払って胡椒餅をひとつお願いします。
手渡すときに店員さんが「熱いよ!」と日本語で声をかけてくれました。
受け取ると、実際に、袋越しでも手が熱い!
やけどしそう。
しかし、出来立てで生地のいい香りがするのです。
生地には白胡麻もまぶされていました。
私はおなかが空いております。
生地を割ってみましょう。
やけどの心配しながら、生地に穴を開けました。
香りを知ろうと鼻先を近づけると、中から来る熱気がかかります。
しかしいい香り。
歯応えがあってわずかに甘さのあるパリパリ生地と、胡椒とネギの風味が効いた辛口の餡。
肉汁にも旨味があります。
とても美味しいですね。
出来るなら毎日おやつに食べたいぐらいです。
何とはなしに、その味付けには大阪名物の「551の豚まん」を連想させるところがありました。
幸せな気持ちになってしまいました。
美味しい台湾グルメでおなかが満たされて気分もよくなりました。
今夜はしばらく周辺の散策を続けて参ります。
しばらく前にバス停を探してさまよい歩いていた頃よりも若干雨足が弱まり、心の余裕があります。
台北車站の大きな駅舎が散策の基点であります。
なんとなく、東京の上野駅周辺を思わせる街の雰囲気であります。
台北車站から、博物館ですとか公園ですとか周辺の各種文化施設へのアクセスもいいのです。
大きな建物に惹かれます。
台北車站の駅舎前。
写真を撮りながらうろうろしてたら、通りがかった中年女性に何か話しかけられました。
私も中国語は少し勉強してきましたが、人に話しかけられて内容を理解できるほどではありません。
苦し紛れに"I don't understand."と答えたら「我不知道!」と言い返され、去られてしまいました。
「我不知道(Wǒ bù zhī dào)」は「わからない」って意味です。
こちらの「わからない」に女性も「わからない」で返してきたのですね。
変な感じで取り残されて、だったら最初からこちらが我不知道と言っておけばよかった、と後悔。
外国に行くとお年寄りに話しかけられることは多々あるのですけれど、台北では老若男女問わずよく話しかけてきます。
滞在中、何度も話しかけられました。
これはたぶん台北が台湾の各地方から人が集まってくる土地柄だからかも、と想像しました。
おそらく道を聞かれているんだと思うんですね。
しかし中国語がわからないと、相手が何を言っているのかわかりません。
裏を返せば、中国語がわかれば台北で使う機会は結構多いということかもしれません。
簡単な中国語でもいいから話すようにすれば、コミュニケーションの糸口になるかもしれませんね。
そんなコミュニケーションの機会を逸しました。
今後は私も我不知道でも何でもいいから知ってる中国語を使うようにしよう、と心構えを新たにしたのでした。
散策を続けます。
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台湾旅行一日目(2)。故宮博物院を早足で
路線バスに乗って、台北市の郊外に来ました。
雨降り、なおかつすでに黄昏時にも関わらず来場者の絶えない、國立故宮博物院であります。
中国の歴代皇帝が所有していた各種の美術品等を収蔵している、博物館なのですね。
どうして台湾にそんな品々があるのか?
そこには経緯がありまして。
中国での共産党との内戦の結果、台湾に移ることになった国民党が、貴重な名品の数々を中国本土から台湾に輸送したのですね。
そういうわけで、現在でもここ故宮博物院で中国伝統の名品の数々が拝めるのです。
出迎えてくれる大型の鼎でした。
私も中国の古代文明に関心がありますので、こうした古代の青銅器類を見るのを楽しみにしています。
建物に入り、入口脇のロッカー室でロッカーが無料で利用できますので、荷物を預けて内部へ。
見学料金は250元(約1000円)であります。
さあ、中国4000年の至宝の数々、見て参りますよ~。
着いたのが遅かったので、あまりゆっくりはできませんがね。
故宮博物院では現在、フラッシュを焚かないこと、撮影機材を使用しないこと等を条件に、展示物の撮影が許されています。
そんなわけで私も気に入ったものを撮影してきました。
ちょっとだけ、この場でお見せしましょう。
写りは悪いですけれど、西周時代の、毛公鼎(Máo gōng dǐng)と呼ばれる青銅器です。
これが、今回の私のお目当ての品であります。
鼎(かなえ、Dǐng)はもともと肉類を煮込むための調理器具だったのですが、後に祭祀に使われるようになり、細やかな意匠を施されるようになったのですね。
素晴らしい形、存在感でした。
約2800年前に陜西省で製作されたと推定されています。
故宮博物院の三名宝のひとつなんですよ。
ちなみに他の二つの名宝は、中華料理の東坡肉によく似た形の肉形石(Ròu xíng shí)、白菜を模した翠玉白菜(Cuìyù báicài)の二品です。
肉形石は今年の10月末まで台湾南部の嘉義にある分館で展示しているとかで、不在でした。
翠玉白菜はありました。
つるつるの翡翠からつくった白菜の上に、イナゴとキリギリスが乗っています。
イナゴとキリギリスは子孫繁栄の象徴だとか。
清代の皇帝のお妃様、瑾妃が所持していたものと考えられている…のだそうです。
光沢が素晴らしいです。
長い歴史を重ねて育まれた、中国の伝統的な世界観の片鱗を感じました。
展示品を眺めながら早足で進み、気に入ったものを撮影する流れでした。
他の見学者の方たちの様子をそれとなく見ていましたが、彼らの話している言葉は中国語に韓国語、日本語、よくわからないけれど東南アジアっぽい言葉、とアジア各地から人が来ているようでした。
中国文化の誇る貴重な品々が気軽に見られるとあって、アジアの各国から人が集まるわけです。
また膨大な収蔵品があるので、展示されている品々も定期的に替えられるんだそうです。
何度来ても違うものが見られる、そういう良さもあるんですね。
リピーターの見学者も多いのかもしれません。
見学し終えて、外に出て参りました。
中国の宝が一通り拝める國立故宮博物院です。
中国文化に関心の強い人にとっては、一日を費やしてじっくり見学しても飽き足りないでしょう。
敷地内には広東料理の高級レストランと台南料理のレストランもありまして、予算に合わせて食事ができるみたいです。
広東料理のレストランでは予約しておけば肉形石そっくりの東坡肉がいただけるそうですぞ。
高級広東料理とは行きませんが、私もこれから台北の市街地に戻ってご飯を食べに行きたいと思います。
台湾らしいグルメが食べられると嬉しいですね。
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