東京旅行一日目(3)。憧れの街。自由が丘をうろうろ散策。ハンバーガーも食べる

渋谷駅から、東京急行電鉄東急電鉄)の東急東横線に乗りました。

これから世田谷区方面に向かって参ります。

目黒区と世田谷区の境界付近にある街、目黒区自由が丘に行くのです。

自由が丘は有名な住宅地で、お洒落なカフェなどの飲食店が多いと聞く土地です。

私は高級住宅地に縁のない身なので、一度、東京のそういう場所に行ってみたかったのですね。

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自由が丘駅南口で降りて参りました。

自由が丘は住宅地だと聞いていたのに、乗降客が多くてえらく活気がありますね。

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この街での明確な目的はあるファーストフード店に入るということだけで、あとはいい具合に街を散策して雰囲気を楽しもう、ぐらいの緩い感覚でやってきました。

駅からどちらに向かえばお洒落な街並があるのかもよくわかりません。

なんとなく人の流れについて、マリ・クレール通りなる洋風な名前の通りに沿って歩きます。

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マリ・クレール通りから交差点を曲がり、北へ。

踏切でえらい数の人たちが待っています。

地元の住民の方々でしょうか。

それとも、私のような観光客でしょうか。

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駅北側、東横線の線路高架下をくぐって行きます。

よっぽど背の高い人は頭打ちそう。

そう思わせる高架です。

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高架の向こうに自由が丘デパートを見つけました。

以前にテレビの旅番組で見た記憶があります。

横長の商業施設の中を通路が通っていて、限られたスペースに多くのテナント店舗が並んでいます。

なんとなく昭和の雰囲気のある施設でした。

ウィンドウショッピングして、建物の向こう側から出てきました。

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そこは自由が丘駅正面口でありました。

南口を出てから結構歩いて来たつもりになっていましたけれど、自由が丘駅の周囲を回っていたに過ぎなかったのです。

お釈迦様の手の平の上にいると気付いた孫悟空の気持ちです。

せっかくですので正面口前の広場をうろうろ。

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田園地帯だった当地に昭和初期、駅が誘致されてまず「九品仏駅」ができ、数年後には改称されて「自由ヶ丘駅」となります。

駅を中心に商店街と住宅地が発展しましたが、太平洋戦争で空襲を受け、一帯は焼け野原になってしまいます。

しかし戦後自由が丘の街は復興、改めて発展を遂げます。

住民の議論の末、戦前にはなかった駅前広場がつくられ、昭和30年代には街のシンボルとして今私の目の前にある女神像、「あをそら」が立てられました。

いまあるお洒落な街並は、歴史を経てつくられてきたものだったのですね。

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戦後の歩みを思い、しみじみ眺める自由が丘駅です。

もう少し駅周辺を散策しましょう。

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今回の自由が丘散策、あるファーストフード店で食事することも目的のひとつでした。

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このお店、Carl's Jr.なのでした。

アメリカでは一般的なハンバーガーチェーンで、今のところ日本ではこの自由が丘と秋葉原にしか店舗がありません。

私はラーメンに加えてハンバーガーも好きなので、自由が丘に来たらぜひ寄ろうと思っていたのでした。

ただ、さきほど渋谷でお昼に熊本ラーメン桂花のラーメンをいただいたばかりなので、いきなりハンバーガーを食べるのはおなかに重い気持ち。

Carl's Jr.の店舗前を通り過ぎて、もう少し街を歩いてきます。

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住宅地を走る通りの右手に、お洒落な建物が建っていますね。

お洒落なお店の内実が私のような無粋な人間にはよくわからないので、お洒落と形容するほか言葉を知りません。

どうも外からのぞいたところ、美容院と洋品店、雑貨店が多いようでした。

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Maple Farmという、そうしたテナントが集まった建物なんですね。

そのテナントの中に、Bear Burgerというハンバーガー店もあります。

ここもアメリカ発祥の、有名なお店のようですね。

今回の目的がCarl's Jr.で食事することでなければ、ぜひともBear Burgerに入っていたところなのですけれども。

ここで食事するのは次の機会にしましょう。

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東京の街は、坂が多いところが魅力であります。

大阪ではなかなか少ないですねえ。

大阪市内の上町台地の坂は、それだけに貴重な景観をつくっております。

今は東京の風景を味わいましょう。

f:id:kompirakei:20171203023409j:plain坂を上るのも楽しい。

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谷畑坂。

もとは坂下は鷺草が自生する湿地だったのですと。

自由が丘の住宅地も、かつては周囲を自然に囲まれた村落だったのでしょう。

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夢中になって歩くうちに、道に迷いました。

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迷いながら、町並みに見惚れていて。

この街に住むにはどれぐらい収入があればいいのかな…などと考えていました。

迷っている間、赤ちゃんをベビーカーに乗せて散歩する若いご夫婦の姿をよく見かけまして。

自由が丘で暮らす若い人たちというのはよほど成功した人たちなのだろう、などと思ったり。

実際住みやすい街なのかどうかはわかりませんけれど、憧れはありますね。

自由が丘じゃなくてもいいのですが、東京の味わいある街並の中に入って暮らしたいと思うのです。

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Carl's Jr.の場所まで戻ることができましたので、入ってしまいます。

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チーズフェイマスバーガーのセットを注文しました。

フレンチフライとドリンクはSサイズで、982円でした。

ドリンクはフリードリンクスタイルで、カップは小さいですが何杯でもおかわりできます。

ジュース好きの方は、ドリンクサーバーに近い席を確保するとよいでしょう。

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このハンバーガー単体が価格500円以上と、わりといいお値段。

でもファーストフードよりはグルメバーガーに近い、お肉もお野菜もしっかりした食感のハンバーガーでした。

こってりラーメンを食べてすでに腹八分目の状態でしたが、するりと入りました。

おいしゅうございました。

また新しいアメリカの味を知った気持ちです。

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ところで私は大阪人なのでよく知らなかったのですけれど、自由が丘発祥のこの亀屋万年堂というお菓子屋さん、東京ではメジャーなお店みたいですね。

昔の蔵屋敷っぽい外観の店舗で、素敵です。

ナボナ」ってお菓子が名物なんですって。

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東京旅行一日目(2)。若者の街、渋谷を散策。何年ぶりかの桂花の太肉麺

丸の内から皇居を訪ねた後、再び東京駅に戻って来ました。

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東京駅の歴史ある駅舎がずっと現役なのは嬉しいですね。

東京駅南口です。

ここから、これから、渋谷に向かうつもりなのです。

若者の街、渋谷。

実は今回の旅、世田谷区の街々を散策することが目的なのですね。

その際、旅の基点になるのが新宿駅と渋谷駅なのです。

今日は渋谷駅から西に向かう予定なので、その前に少し渋谷の街も散策してみようと思います。

 

山手線の電車に乗って外回り、東京駅から品川方面を経由して渋谷駅までやって来ました。

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駅構内に、こんな場所があります。

渋谷駅前のハチ公前広場周辺を見渡せる場所なんですね。

写真を撮っている外国人観光客がいたので、私も撮ってみました。

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下に降りるとこういう場所です。

ハチ公口ですな。

若者の街という噂に違わず、通行人に占める若い人の比率が多いですね。

以前に一度、渋谷には来たことがあるのですが、その時は人の多さに辟易して、駅前を20分ばかり歩いただけですぐ退散してしまったのです。

今はちょうどいいぐらいの人出です。

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緑の電車も前に来たときは無かったんですね。

せっかくなので、中に入ってみました。

車両の中を端から端まで歩いて、出てきました。

中には観光案内所があるんですけれど、ロングシートが整備されているので座って休んだり待ち合わせしたりもできます。

しかし不思議と、中はガラガラでした。

外は混んでいるのですが。

緑の電車内は、待ち合わせ向けの穴場かもしれませんね。

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そして定番の、ハチ公像は健在です。

私もここで人と待ち合わせするような青春を送りたかった…なんて泣き言は言いたくありませんが、一生に一度くらいはここで待ち合わせしてみたいもんですな。

ハチ公のように、来ない人を待ち続けるのは辛いですけれど。

必ず来る人と待ち合わせしましょう。

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ここは、天下に名の聞こえた渋谷駅前スクランブル交差点。

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人は多いです。

この大勢の人たちはどこから来てどこへ行くのでしょう。

私は大阪から来て世田谷に向かう途上です。

その前に、もうお昼時なので渋谷でランチとしたいですね。

実は渋谷駅前でランチにするならここ、という店を前もって調べてきているんです。

行きましょう。

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渋谷センター街に入って来ました。

ここには初めて来ました。

私が学生の頃は、渋谷センター街というと、不良の若者がたむろしている治安の悪そうな場所だというイメージでした。

でもいざ来てみると、現在はそんなに危険な感じのする雰囲気ではないですね。

時間をかけて治安が回復されたのでしょうか、それともまだ日が高いから安全なだけでしょうか。

わかりませんが、若い人と外国人観光客、家族連れも多くて、なかなかまったり歩ける街ですね。

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飲食店が多くて歩行者天国で、気に入りました。

この付近に目当てのお店もあるんです。

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少し迷って探しましたけれど、センター街入口近くに戻って見つけました。

熊本ラーメン桂花のお店です。

桂花は熊本県に本店のあるラーメン店で、以前は京都にも支店があって、私はここのラーメンが好きで京都に行く度に食べていたんですよ。

その京都の店舗が閉店してしまって、食べる機会がなくなってしまったんですね。

東京都内だと新宿、渋谷、池袋にそれぞれ数店舗ずつあって、必ずしも渋谷でわざわざ食べないといけないわけでもないんですけれどね。

でも東京に行ったときには、機会を見つけて桂花に入ろう、と決めていたのです。

入りましょう。

二階の窓際席に通されました。

注文する品は決まっています。

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これです。

桂花の名物、太肉麺(ターローメン)。

一杯980円といいお値段です。

しかしこれが食べたかったのですよ。

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香りに食欲をそそられます。

煮込んだ豚の三枚肉はとろとろで、舌の上で溶けるかのよう。

マー油とニンニクをアクセントにした濃い味のスープを背景に、歯応えある太めストレート麺とキャベツの食感が楽しめます。

他では食べられない味ですね。

大都会、渋谷に身を置いて食べる非日常のランチ、じっくり味わいたいところでしたが。

桂花の太肉麺とは、何年かぶりの再会。

ひと息に食べてしまいました。

ごちそうさまでした。

 

食事の後も、もう少し渋谷を散策します。

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若者の町渋谷を代表するランドマーク、SHIBUYA109。

若い女性向けのファッションを扱う店舗が多数入ったファッションビルなんですね。

中に入ってきました。

若い女性ではなくもう中年に近い男性ですけれども。

109の外側はテレビ等でよく見るけれど、中がどんなところなのか、一度見てみたかったんですね。

渋谷駅構内につながる地階から最上階までひと通り見ました。

可愛らしいガールズ向けの服からアダルト女性向けの妖艶なドレスまで、諸々売られていました。

ビル内は若い女性客でにぎわっています。

修学旅行中らしい?生徒さんたちの姿もありました。

こちらはいい年の男で買い物もせずうろうろして、若干気恥ずかしかったですがね。

後学のためと自分に言い聞かせて、見学して参りました。

ランドマークの中にも、いろんな世界があるんですね。

 

SHIBUYA109を後にして、次は私が名前を知っているもう一つのランドマーク、宮下公園に向かいます。

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しかし見つかりません。

さ迷いました。

渋谷駅に隣接しているはずなのですが。

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工事中の区画を見つけて、嫌な予感。

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歩道橋を上がり、やはりこの工事中の区画が宮下公園らしいと思いました。

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宮下公園、整備工事中だったのですね。

新しくなる前に、市民に親しまれた元の姿を見ておきたかったのですが。

来るのが遅かったですかね。

新しい宮下公園が完成したときに、また渋谷に見に来たいと思います。

今回はもう渋谷駅に戻り、次の土地に向かいます。

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東京旅行一日目(1)。丸の内から皇居前広場へ。旅の安全をお祈り

先の三連休を利用して、東京に旅行してきました。

もう何年も、東京には行っていなかったのです。

久しぶりに東京のお洒落な住宅地を歩いたり、東京でしか食べられないファーストフードを食べたりしたかったわけなのです。

 

今回は東京に飛行機で出向くことにしました。

関西国際空港から千葉県の成田国際空港まで、一時間と少しのフライト。

成田国際空港からシャトルバスでまた一時間と少しかけて東京駅前にやって参ります。

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東京駅の八重洲側って、こんな感じでしたっけ…。

ずいぶん変わりましたね。

前に来たのはもう5年以上前です。

東京に着いてからまだ何も食べていませんので、朝食を食べられるお店を探します。

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八重洲名代富士そばのお店がありました。

名代富士そば、首都圏を中心に展開しているチェーンですけれど、大阪にはお店が無いのですね。

以前からこのお店で食事がしてみたかったのです。

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いただきましょう。

冷たいたぬきそば、340円でした。

歯応えのある蕎麦、揚げ玉たっぷりで、さくさく食感もよかったです。

大阪はすでに肌寒い気候になっているのに、東京はまだ暖かいぐらい。

冷たいおそばが美味しいですね。

お店の雰囲気も良かったので、東京滞在中の朝食は富士そばに決めようかな、と思いました。

 

朝食をいただいて元気が出たので、これから東京街歩きを開始しますよ。

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東京駅の丸の内側にまわりました。

以前からの慣例で、東京に来たときには、できるだけある場所に足を運ぶようにしているのです。

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門首塚まで70メートルのところに来ました。

平安時代、朝廷に対して関東の地で反乱を起こした武士、平将門(たいらのまさかど)。

反乱は平貞盛(たいらのさだもり)と藤原秀郷(ふじわらのひでさと)の手により鎮圧され、将門公は討ち取られました。

門首塚は、討ち取られた彼の首が眠ると伝わる場所なのですね。

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以前に私が来たときには首塚の敷地は高いビルとビルの隙間の土地だったのです。

今回は周辺が再開発の工事中で、すっかり雰囲気が変わっていました。

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工事による粉塵等を防ぐためか、塚にはガラスケースか被せられています。

将門公の首塚です。

江戸、東京の守り神として庶民の信仰も集める、将門公です。

今回の私の東京旅が無事に進むように、お祈りしました。

 

門首塚まで来ると、東京の中心、皇居はすぐそこです。

せっかく東京に来たので、皇居も拝んでいきましょう。

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お堀、櫓、石垣にかつての江戸城の名残りある皇居であります。

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皇居前広場皇居外苑)はとても広くてひろびろ広場です。

遠くに見えるは坂下門ですな。

坂下門のずっと向こうの皇居内に、天皇陛下を始め皇室の方々が住んでおられます。

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南側には皇居の正門、そしてその向こうに警視庁の建物が見えます。

東京に来たのだ、という実感がじわじわ湧いてきます。

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お堀を渡る石橋の向こうに、正門がそびえています。

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門の脇には皇宮警察の方が常駐しています。

がっちり櫓門で警備もばっちり。

江戸城時代の遺構を利用して守りを固めているわけですな。

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正門石橋のたもとに集まって、さらに遠くにかかっている正門鉄橋を背景に記念写真を撮るのが流行のようです。

外国人観光客の方が本当に多いですね。

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皇居側から皇居前広場の方を見ると、丸の内のビル群が望めます。

ビルの高さは、皇居の周辺ではある程度制限されているのかな?という印象でした。

高層ビルの上層から皇居を見下ろす形になるのは、好ましくありませんものね。

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正門のお堀を挟んだ外側に、桜田門があります。

幕末にはあの門の向こうで、彦根藩主で幕府大老であった井伊直弼(いいなおすけ)が暗殺される「桜田門外の変」が起こりました。

歴史的事件の舞台であります。

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皇居前広場の中を横切る内堀通り、大勢の皇居ランナーの方々が常に走っていて、絶えることがありません。

皇居の周囲を何周も走るのでしょう。

ところで皇居前広場と言えば、この界隈に来ると私がいつも訪れる場所が一角にあるのです。

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遠くに見えてきました。

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南朝の後醍醐(ごだいご)天皇に命を捧げた忠臣、楠正成(くすのきまさしげ)。

彼の銅像です。

明治時代に住友財閥が、愛媛県別子銅山で採掘した銅を使って製作したのですね。

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南大阪が生んだ郷土の英雄、楠正成公。

乗馬姿で、皇居を見守り続けています。

南大阪で生まれ育った私のようなものは、この銅像の姿を見る度に親しみを感じ、勇気づけられる思いです。

平将門公と共に、楠正成公にも旅の安全を守ってもらえるようにお祈りしました。

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『瞬殺猿姫(44) 猿姫の偶像、文を読む三郎』

白子港の、織田三郎信長(おださぶろうのぶなが)が寝泊りする掘っ立て小屋に、猿姫(さるひめ)からの文が届いたのは、一行が離散して半年余りも後のことであった。

「織田のうつけに、文が来ておった」

蔵の後始末を終えた親方が、手に文を持って小屋の戸口に現れた。

三郎は、相棒の蜂須賀阿波守(はちすかあわのかみ)始め、他の運び手たちと共に夜食を摂っている。

小屋の中、莚を敷いた土間の上で車座になって、干し魚を肴に安い地酒を飲んでいる。

大名の子息の三郎にとって、港での運び手の仕事はつらかったが、近頃は体と頭が慣れてきた。

身一つで務まる仕事にしては、待遇も悪くはない。

白子の港が繁栄しているが故に、蔵と港とをつないで荷を運ぶ仕事は、金になるのだった。

「文」

親方が近づいてくる前に、三郎は高い声をあげて立ち上がっていた。

もともと背が高かったが体つきの細かった三郎、この半年余りの間にたくましく変わっていた。

肩、背中、そして腰から脚にかけての肉付きが力強くなっている。

動きも俊敏なのだ。

その彼がいきなり立ち上がったので、足元にあった酒の盃が勢いでひっくり返りそうになる。

隣に座っていた阿波守が、その盃を慌てて手で止めた。

酒の強くない三郎が飲み残すと、その人の飲み残しにまで後始末をつけるぐらい、阿波守は酒が好きである。

「そうだ。宛名書きを見るに、女の文字だな」

座ったままの仲間の運び手たちが、三郎を取り巻いて囃し声をあげる。

三郎は息を飲んで、親方が手にした文を見た。

体がかすかに震えている。

親方から文をもぎ取って、今すぐにでも読み始めたい。

そんな三郎の顔つきを見て、普段彼に厳しい親方も、焦らす真似はしなかった。

文を目の前に突きつけた。

三郎は、短く深呼吸した。

親方に目礼して、文を受け取った。

文は、粗末な紙質だ。

切り封をした上に、「おださぶろうどの」と宛名書きがある。

その筆致を目にして、三郎の全身に一瞬の震えが走った。

もどかしく、切り封を指先で解き、文を開いた。

両手で広げる。

目の前に、縦書きの文面が広がった。

 

さぶろうどの

いかがおすごしか

さるひめにかわりはない

ろぎんのことあつまった

おへんじくだされたし

さるひめ

 

味も素っ気もない文面であった。

しかし、柔らかい筆致ではある。

三郎の口元がわなないた。

文を握り締めた。

かろうじて、息を吐く。

それから改めて文を広げ、再び文面に目を通した。

文章の頭から末尾まで、何度も読み返した。

飽きることなく目の動きを繰り返して、最後には文の中に己の鼻先を埋めてしまった。

親方と阿波守、その場の運び手たちも呆れて、声をかけることもできず、三郎を見守っている。

やがて、文に顔を隠したまま、三郎は嗚咽を洩らし始めた。

阿波守が、即座に立ち上がった。

「待てうつけ、文が湿る。俺にも読ませよ」

三郎から文を奪い、剥ぎ取った。

閉じた三郎の両目の端から、涙がこぼれている。

湿りかけた文の文面に、阿波守も立ったまま目を通した。

三郎は隣で嗚咽を響かせている。

即座に読み終えて、阿波守は傍らの三郎の醜態に横目をくれた。

「味気ない文だな。だが首尾よくいったようではある。何をまたそうやって泣くのだ、不吉な」

三郎は、ぐすぐすと鼻を鳴らしている。

「不吉ではござらぬ、吉兆でござる」

「だったらなんで泣く」

「美しい書体でござる」

揺れる声でかろうじて答えた。

阿波守は、文面に再び目を向けた。

「どこが」

「猿姫殿のお姿そのままの、たおやかな書体でござる」

そう続けて、泣き顔のまま、阿波守から文をひったくった。

「たおやかな」

阿波守は口のなかで復唱する。

三郎の頭の中で猿姫が今はどういう女に化けて棲み付いているのか、阿波守にはうかがい知ることができない。

その阿波守にも呆れている他の面々にも背を向けて、三郎は小屋の隅に行ってうずくまった。

文を抱いている。

「今夜はこのまま猿姫殿と二人きりにさせてくだされ、今夜だけは」

皆に断っているらしい。

親方は、阿波守の方を見た。

「おい、髭」

「なんでござる」

阿波守は、親方からも髭と呼ばれている。

「相手がいかな女か知らんが、ああもとち狂うた以上は、夫婦にする算段をつけてやった方がいいのじゃないか」

親方なりに、配下のうつけの醜態を見て心配してやっているらしい。

「しかし、武家のしきたりは難しくございますのでな」

阿波守は、苦い顔を返すばかりだ。

三郎がおかしくなっていても、彼は明日からのことを考えなければならない。

三郎を猿姫に再会させれば醜態は直るのか、それともより酷くなるのか。

三郎を中心にして、また以前の通り旅が続けられるのかどうか。

阿波守にも、この先のことが読めなかった。

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台湾旅行三日目(5)。新竹の街を散策。帰国。いい旅でした

お昼を食べながら、今後の行き先を考えていました。

本日の夜から桃園国際空港に向かい、夜を空港で明かして翌朝早く、日本に戻る飛行機に搭乗する予定であります。

夜までまだ時間があります。

まだどこか一箇所ぐらい、観光が出来るのですね。

どこへ行こうか、ガイドブックを繰りました。

台北とは雰囲気の違った街も見ておきたかったのです。

すると、新竹(Xīn zhú)という、台北の南西にある街が紹介されているページが目に留まったのですね。

なんでも、この新竹近郊の街には中国南部から渡ってきた客家(ハッカ、Kè jiā)人の人たちが多く住んでいるのだそうです。

台北とは違った街の姿を想像して、足を伸ばしてみる気になりました。

台北車站近くのバスターミナルから、高速バスで新竹に向かいます。

 

台北から新竹まで、高速バスで約1時間30分の道のりであります。

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新竹到着間際、バスの中から撮った檳榔のお店です。

「兄弟専業檳榔」だそうで、兄弟の一人か、ごつい中年の男性が店内に納まっていました。

若い女性が販売するのが基本の檳榔店に、ごつい例外を見つけました。

窓越しに遠目に眺めながら、バスで通り過ぎます。

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新竹のバスターミナルで高速バスを降り、新竹車站の駅前に出てきました。

なかなか開けた街ですね。

17世紀末に漢民族が入植して城砦を築いたという歴史のある街ながら、昨今は台湾のIT関連企業が集まって、ハイテクの街としても名を馳せる新竹です。

 

ところで、私がこの街に来たのは近郊の客家の街の文化を感じたいばかりでなく、ほかにも目的がありまして。

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この新竹車站の駅舎が目当てでもあったんですね。

日本統治時代の1913年、日本人建築家の松ヶ崎萬長(まつがさきつむなが)によって建築された駅舎なんです。

なんだか、日本の東京駅の駅舎に雰囲気が似ていると思いませんか?

日本の東京駅駅舎が辰野金吾(たつのきんご)によって設計され、完成したのが1914年。

松ヶ崎萬長と辰野金吾、西洋建築を学んだ同時期の日本人建築家たちがそれぞれ一年違いで遠く離れた地に完成させた、新竹車站駅舎と東京駅駅舎です。

例えれば兄弟か姉妹のような存在なのですね。

新竹車站駅舎が一年お兄さん、もしくはお姉さんということになりますか。

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私が見たとき、駅舎の入口からセブンイレブンの配送トラックが直にお尻を突っ込んでいて、豪快でした。

駅舎の中にキヨスクセブンイレブンの店舗があるので、その商品補充に来ていたのでしょうね。

日本ではなかなか見ない光景なので、感心しました。

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駅舎の中は、わりとこじんまり。

待合室なんかもあります。

新竹車站からは周辺の街へと向かう鉄道の支線がいくつか延びているので、運行本数の少ないそれらの支線沿線に向かう人たちが列車を待っているのです。

客家の人たちが多い街にも、新竹からそうした支線の鉄道で向かうのですね。

ところが私がここに来たとき、客家の多い街に向かう列車の次の発車時間まで、随分間があったのです。

本日中にその街に行って観光するには時間が足りないと思われましたので、乗車を断念しました。

残念ですが、新竹の街の散策に時間をかけることにします。

歩いて行きましょう。

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新竹車站から大通り沿いに進むと、ロータリーの中に東門城があります。

お城の下まで行ってみたかったのですが、入場禁止のテープが渡してあって近くまで行けないようになっていました。

先へ進みます。

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雨でも若者たちでにぎわう商店街の中に、台湾伝統の廟があります。

こうした台湾寺院の派手な建築も今日で見納めかと思うと、名残り惜しいものがあります。

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これらの看板を目にして、私も遠くにある故郷を思い出しました。

それにしても、日本の味うたまろ…。

気になりますが、店をのぞいてみる勇気はありません。

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最終の目的地に着きました。

城隍廟(Chéng huáng miào)です。

城隍という、土地の神様を祭った廟なのですね。

城隍は媽祖と並んで台湾人の信仰が篤い神様のようです。

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この新竹の城隍廟は、建物の中にたくさんの飲食店、乾物店等が入っている、面白い建築なのです。

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軽食、小吃のお店が多いです。

私もお店を見て歩きながら通路を歩いて、中の御廟にお参りしてきました。

新竹車站に戻ります。

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新竹車站前のロータリー外側にはかつて汽車が走っていた線路が残されて、ちょっとした公園になっています。

淡水の街でもそうでしたが、駅舎も含め、こうした古い時代の名残りが街に残っているのは、素敵ですね。

きっと、地元の方々の文化財を保存しようという努力の結果なんだと思います。

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新竹車站前には太平洋SOGOもありました。

日本のそごうとは、現在は資本関係には無いみたいですね。

 

新竹からまた1時間30分かけて、台北に戻ってきました。

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いよいよ日本帰国の準備です。

名残惜しいので、台北車站周辺で夕食をいただいて帰ります。

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温州大饂飩(Wēn zhōu dà wēn tún)というお店で頼んだ炸醤麺(Zhà jiàng miàn)、55元(約170円)と台湾啤酒です。

お店の雰囲気も含め、台湾料理というより、中国の地方料理のような感じでした。

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日本で食べたことのある炸醤麺はラーメンのような料理でしたが、このお店のは汁無し麺の料理。

辛口の肉味噌と野菜等の具を麺に絡めていただきます。

おいしゅうございました。

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夕食の後、シャトルバスで桃園国際空港へ。

空港内のベンチで仮眠して一晩を明かし、翌朝日本に無事帰国いたしました。

旅の最中は雨に降られっぱなしで体調を崩しもしましたが、日本から身近な外国、台湾で様々な異文化を感じられた、いい旅でした。

日本では出会えない人、風景、空気、食べ物に出会いに、これからも海外旅行を続けたいものです。

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台湾旅行三日目(4)。雨空の下の二二八和平公園と、満足の台湾?グルメ

風邪薬を飲んだ私、観光を続けます。

雨足は収まるところを知りません。

台湾でも6月は、雨期なんですね。

日本の梅雨どき以上に長くて激しい雨期なのですね。

それをある程度覚悟して来てはいましたが、実際にずっと雨に降られていると、心が滅入ります。

そんな状態でも、足を動かします。

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二二八和平公園(Èr' èr bā hé píng gōng yuán)にやって参りました。

もともとは1889年に開設された西洋風公園だったのですが、1947年に起こった二・二八事件を記念して改名されたのだそうです。

入ってみましょう。

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池の中に涼亭っていうんでしょうか、中国風の東屋があって、いい雰囲気です。

昔行った、東京の上野公園の不忍池の辺りを連想しました。

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竹の一種らしい、変わった植物が園内に見られます。

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背の低い、幹の細いヤシ科の植物がいました。

無理にくねったようなその姿勢に、思わず笑ってしまいました。

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野鳥が集まる池です。

真ん中に生える樹木の上には、独特な形の実が成っております。

食べられるのかどうかは定かではありません。

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眼光鋭い野鳥と、雀たちが集っております。

雀も野鳥ですかね。

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二二八和平公園は、野生のリスと触れ合えることでも有名なんですね。

私もリスと触れ合えることを期待して来たのですが、この雨のせいでしょうか、リスを見つけることはかないませんでした。

リスたちが遠巻きに私の姿を認めて隠れてしまったのではないか、という疑念もあります。

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園内には、国立台湾博物館もあります。

体調が平常どおりであれば、一も二もなく入ったのですけれど、風邪の症状が治らないので。

今回は入館を見送ることにしました。

体調の悪いときに、展示品を見てまわったり、細かい説明文を読んだりするのって難しいんですよね。

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博物館の外の野外展示を見ていきましょう。

石臼、水をためる石槽などです。

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この門の由来はよくわかりませんが、儒教に関わる遺跡のようです。

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儒教孔子銅像が祀られてあります。

先ほどの門も、おそらくはこの銅像に関連して設置されているのでしょう。

続けて、園内を散策します。

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これはラジオ塔ですね。

詳しい説明はありませんでしたが、日本統治時代に設置されたもののようでした。

ラジオ塔とは、内部にラジオを入れて、公園内の人が公共放送を聞けるようにした設備なのです。

私の地元、大阪府堺市にある大浜公園にも、同様のラジオ塔の跡が残っています。

いずれにしても、ラジオが庶民にとって高価な家具のひとつだった、戦前のものですね。

おそらくは堺市と台湾と、離れた場所で同時期に、日本政府によってラジオ普及のための施策が行われたものと想像します。

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この緑豊かな公園には晴れた日に来たかった、という思いでした。

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二・二八事件の記念碑がありました。

太平洋戦争の終戦後、台湾に渡ってきた国民党は、台湾人に熾烈な政策を強いています。

そしてヤミたばこ業者に対しての横暴な取締りをきっかけに、鬱憤を溜めていた台湾人たちによる反乱が台湾全土で勃発。

反乱は国民党軍により武力鎮圧され、台湾人側に膨大な数の犠牲者を出しました。

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水の上に浮かぶ記念碑です。

間近に歩み寄って、犠牲者の霊を追悼しました。

二・二八事件の弾圧の当事者であった国民党の、蒋介石を記念する中正紀念堂の目と鼻の先に、この二二八和平公園と記念碑があるのです。

二つの場所が隣接して共存する状況を、台湾の人たちはどういった思いで受け入れてきたのだろうか、と思わずにはいられませんでした。

 

二二八和平公園を後にしました。

お昼時になっています。

公園に来る前に飲んだ風邪薬が効いてきたのか、具合が良くなってきました。

お腹も減り始めています。

最後の観光を前に、美味しいものを食べて、元気もつけておきたいですね。

公園から少し離れた場所なのですが、ぜひとも行きたい飲食店があったのです。

永康牛肉麺(Yǒng kāng niú ròu miàn)という有名店で、牛肉麺という台湾の麺料理がこの店の名物なんですね。

ラーメン始め麺料理が好物である私には、見逃せなかったのです。

地下鉄に乗って、お店の最寄り駅、東門車站に向かいます。

駅から地上に出て、数分歩きました。

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お店が見えてきました。

永康牛肉麺です。

しかし、お店の前の人の列。

嫌な予感です。

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順番待ちの長い列が出来ていました。

二階席もあるお店なのですけれど、行列がなかなか進んでいません。

日本の人気ラーメン店を見るようですな。

この行列を見て、私の心は揺れました。

美味しい牛肉麺は食べたい。

しかし、長らく並んだ末に混雑した店内で食事するのは、今の体調では厳しいと思ったわけです。

 

そうやって逡巡している間に、永康牛肉麺の近くに気になる場所を見つけました。

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大排檔茶餐廳(Dà pái dàng chá cān tīng)というお店でした。

茶餐廳は香港にある独特の、レストランと喫茶店の中間のような形態の軽食店なんですね。

台湾にも香港式の茶餐廳があるとは聞いていましたが、ここにあったとは知りませんでした。

香港旅行の際、茶餐廳にはお世話になっています。

見たところ、混雑もしていない様子。

牛肉麺は若干心残りではありますけれど、もう大排檔茶餐廳に決めてしまいます。

欧米のカフェを意識した内装の店内で席に座り、メニューを眺めました。

思ったよりも、香港料理の定番が揃っていました。

食欲が湧いてきます。

お店の方に、香港人気取りで英語で注文を頑張りました。

待つことしばし。

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鴛鴦茶(Yuān yāng chá)ですね。

80元(日本円で約240円)でした。

コーヒーと紅茶を混ぜた、香港独特の飲み物なんですね。

香港で飲んだ味、台湾でまた出会えて、ひと息つけました。

シロップを入れて、甘くして飲むと元気が出ます。

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お料理も来ました。

スパイシーな香りに包まれます。

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XO醤炒飯です。

150元(日本円で約450円)でした。

XO醤は、香港料理で用いられる辛いソースなんですね。

香港で食べていないものですが、この機会だから食べてみたかったのです。

この炒飯はエビとイカとキャベツがたっぷり入って、XO醤で味付けしてあり、ピリ辛で出来立て熱々でした。

そして美味でした。

降り続く雨と風邪症状で寒気を感じていた折に、この辛くて美味しい炒飯をいただいて、体の芯から温まるような心地がしました。

これでこの後も、何とか観光が続けられそうです。

負け惜しみでなく、牛肉麺を食べるより結果的に良かったかも、と思いました。

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『島津戦記』新城カズマ

私、以前、鹿児島県に旅したことがありまして。

もともと鹿児島の風土と食べ物、そしてかの地に存在した薩摩武士たちの足跡に興味があったのです。

戦国大名島津(しまづ)氏に代表される、薩摩武士。

憧れを持って旅した鹿児島は、やはり刺激的な土地でした。

そういう体験があって、今でも鹿児島と島津氏に関わる書籍にはよく目を通しているのです。

そんな折、この小説を読みました。

島津戦記

島津戦記

 

新城カズマ氏による『島津戦記』です。

戦国時代の薩摩国(現在の鹿児島県西部にあった国)を舞台にした、伝奇小説なのですね。

 

鎌倉時代室町時代を通して、薩摩国守護大名であった、島津氏。

戦国時代に至って、後に島津家中興の祖と仰がれることになる偉人、島津日新斎(しまづじっしんさい)が現れ、自身の子息である島津貴久(しまづたかひさ)を島津家当主の座に据えることに成功します。

これを機に島津氏は、幕府の権威に頼っていた守護大名から脱皮し、実力を兼ね備えた戦国大名になったのです。

島津家当主島津貴久の子供たちである四兄弟の三男、島津歳久(しまづとしひさ)の視点を主軸に据えて、物語は進みます。

日本列島の西に存在感を誇る大国、明。

そしてその向こうに存在する天竺、南蛮の国々。

島津氏が治める薩摩国には、海流に乗ってそうした異国の人々が訪れます。

歳久の祖父である日新斎は、そんな世界と通じる地の利によって、広い見識を備えていました。

彼は島津家の興隆に関わる世界規模の壮大な構想を、島津家当主である貴久、そしてその子である歳久たち四兄弟に託します。

京の都を掌握した織田家の政治にも、遠い薩摩国から関与を深める島津家。

島津家一門は日新斎の構想に従ってまず南九州の統一、さらに九州全土の統一を目指すのでした。

しかし彼らの周囲を、様々な異国から集まった人々の思惑が取り巻きます。

 

島津一族の勇猛果敢な戦いぶり、例えば関ヶ原の合戦での島津義弘(しまづよしひろ)公による「島津の退き口」等々、日本史好きの人には恐らく有名でしょう。

ところが本作の主人公である歳久は、文化人としての教養を備えた、戦いよりも思索に傾倒する人物として描かれています。

そのため本作は戦よりもむしろ、歳久が少年の頃から体験した薩摩国での不思議な体験、異国の人たちとの出会い、親兄弟との係わり合いの描写を中心に物語が進行して行きます。

島津一族が武勇で活躍する活劇を期待すると、かなり面食らうと思います。

しかし見識があり内省的でもある歳久のキャラクタで、彼と島津家に起こる諸々の不思議な物語を追体験することが出来て、私は大変楽しめました。

島津氏、織田氏といった戦国時代の大名たちの熾烈な戦いが、日本列島の中だけで閉鎖されたものではなく、実は世界情勢からの強い影響を受けて左右されていたのかもしれない。

そしてその日本列島内での個々の戦いの結果が、翻って世界情勢に影響を与え返していたかもしれない。

そんな感慨がわきました。

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